最近日常生活の中でよく、今日のタイトルについてふと思う節があった。
ドイツ人のお年寄りは、気が強いというか、短気というか‥。
思ったことをすぐ口に出すし、気に入らなければ平気で大声で罵るし、自分を棚に上げて何でも言う。それにとてもダイレクトだ。
ドイツ人で年寄りとなると、もう怖いものは何もないのかもしれない。
うちの彼の父のように、思ったことをすぐ口に出すけどユーモアがあって、言っていいこととダメな事を判断できる人はいい。けど、そういう人ばかりではない。
特にひどいのは車を運転している人や、自転車に乗ってる人に罵る通行人。私も最近何度か路上で注意されたが、どう考えても私は間違えたことをしていないので腹が立つ。
間違えたことをしていないから、罵られた瞬間に『え、今言われたの自分?』とびっくりしている間に、向こうもどこかに行ってしまうから何も言い返せない。く~っ!!
うちの近所の通りが工事中で、路面電車が走っていない。通りを歩いてたら、工事範囲が広くなっていて、向こうに行くのに迂回しないといけなかった。めんどくさいなぁと思いながら赤信号待ちしていると、一人のお年寄りの女性が私のところにブツブツ言いながら来た。『あれ、また何か言われるのかな』と思ったけど、彼女は道路工事について文句を言っていた。
「この工事、本当に腹が立つ!いっつもどこかで工事して、道を封鎖して。路面電車が使えないから、私たちはそこの墓地までこの炎天下を歩かないといけないじゃない!一体どれだけの老人が毎日そこの墓地に通っているか、わかっているのかね。それで平気でいるって、どういうつもりなんだろうかね!」
私も少なからず工事の影響は受けているので、うんうん、と相槌を打ちながら聞いていた。
そして彼女はちょっと二ヤっとしながら言った。
「ドイツ語でね、Schimpfen reinigt die Seele(罵りは魂を洗う)って言うんだよ。」
なるほど、怒りを言葉に出すことでストレスをためないということかな?だからドイツ人の年寄りはすぐに罵るのか~。
その女性と一緒にバス停まで歩いた。「ひぇ~、やっと着いた。穴倉(バスの中)に入ろう。」
彼女の目的地の停留所前で、私に耳打ちしてから彼女は行った。「このバスがいつ戻ってくるか、運転手に聞いてから行くわ。」
このバスがいつ戻ってくるって、通りの反対側にある停留所の時刻表を見なさいよ・・。と思ったけど彼女はもう運転手に聞いていた。
運転手の反応ももちろん、「いやいや何言ってるの、このバス戻ってこないですよ!時刻はそこの時刻表に書いてあるってのに‥」
「ったく、不親切だね。」
彼女はまたぶつくさ言いながらバスを降りて行った。
‥典型的っ!
でも、彼女の気持ちもわからなくはない。ドイツの工事は、何の予告もなくにドーン!と急に始まる。それに長い、半年から一年くらいかかる。工事が始まって、いつも使ってた交通手段が使えなくなり、代わりにバスが通るようになったけど、工事の進捗具合によって、バスの運行ルートや時間がすぐに変わるのだ。そういう短期間の変化、お年寄りがついていくのは簡単じゃないだろう。
フレキシブルなドイツで生きるということは、自分が変化についていかないといけないということでもあるなと思った。
大変だな‥。
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