ちょうど2年前くらいから、リンゴを食べると口の中がめちゃくちゃかゆくなるようになった。
梨もアウトだった。ひどいときは、口の中が腫れてるような感覚があって、かなり不快。
リンゴが大好きだった私はもちろん、かなり落ち込んだ。
「え、もう一生リンゴ食べられないかも…?」って、本気で思っていた。
ドイツに来て1年も経たないうちに、白樺(バーチ)の花粉症を発症していて、そこからの延長で、
口腔アレルギー症候群(OAS)になったらしい。果物やナッツでも反応が出るアレルギーだ。
最初は白樺だけだったけど、ヘーゼルナッツやエルレ(ハンノキ)にも反応が出るようになった。
住んでるフライブルクは自然が豊かで、黒い森も近いせいか、花粉の種類がとにかく多い。
アレルギー持ち=Boskop一択!? でも正直…
ドイツではよく「アレルギカ(アレルギー持ち)にはBoskop」と言われている。
このBoskop(ボスコープ)というリンゴ、いわゆる“先祖リンゴ”と呼ばれる品種で、
現代の品種改良されたリンゴよりアレルゲンが少ないとされている。だからアレルギー持ちには食べやすい。
でも……ぜんっぜん美味しくないのだ。
香りも少ないし、味はぼやっとしてて、食感もイマイチ。「これしか食べられないの!?」と、軽く絶望した。
「Boskopしかないなら、もうリンゴ食べなくていいや…」と、本気で思っていた。
リンゴアレルギーでも食べられる「安全な品種」がある!
同じ悩みを持つ友人トーマスから、「ドイツのリンゴにはアレルギー反応の出にくい品種がある」という有力な情報を入手した。
なんとドイツには100種類以上のリンゴが存在し、その中には「アレルギーが出やすい品種」と「比較的安全な品種」があるとのこと。
リストでは:
- 黄色でマークされたリンゴ:アレルギー反応が出た人が、出なかった人より多い(多くがスーパーで見かける品種
- 緑色でマークされたリンゴ:アレルギー反応が出なかった人が、出た人より多い(市場で見つかる)
衝撃的だったのは、一般的にドイツのスーパーで買えるのは、リストで黄色でマークされている方だけだというのである。
品種だけで言うと緑色の方が数は圧倒的に多いのに、普段手に入るものが黄色の品種に限られていたのだ。
私自身もリストを頼りに市場で緑色のリンゴを購入し、いくつか試してみた!
たとえば「Pinova(ピノヴァ)」という品種は、全くかゆくならず美味しく食べられたのには感動した…。
しかし、すべての緑色リンゴが安全というわけではなく、他の品種ではやはり症状が出ることも。
トーマスいわく、「Santana(サンタナ)」という品種が特に美味しく、おすすめとのこと。
品種改良でアレルギーに優しいリンゴも誕生している
実は「Santana」などの品種は、花粉アレルギー対策として品種改良された背景がある。
こうしたアレルゲンの少ないリンゴは、オランダやドイツの研究機関で開発され、「低アレルゲン品種」としても注目されているらしい。
これらのリンゴは秋の収穫シーズンに出回りやすいため、秋のマーケットを狙うのがポイントだ。
ドイツに住んでいて果物アレルギーに悩んでいる方は、全部のリンゴが食べられないわけではなく、きっと美味しく食べれるリンゴがどこかにあるはずだ。
ぜひ自分に合う「食べられるリンゴ」を見つけてみてほしい!
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