ドイツの社会で陰ながら大活躍しているBFD/FSJたち。
BFDの力に頼ってはいけなく、あくまで彼らは「人材が十分に足りているところに置くヘルプ」という位置づけが、必ずしも守られているとは限らない。
BFDとして働くのは、ドイツ国民や外国からの移民などたくさんだ。
その中で、ドイツ国民でBFDをする典型はこんな感じ。
- RealschuleやGymnasiumを卒業したけど、進路で迷っている。
- RealschuleやGymnasiumを卒業して、大学に行く前に少し勉強を休みたい。
- RealschuleやGymnasiumを卒業してAusbildungを始めたけどやっぱり辞めて、やりたことを探している
- 大学入学成績のために点数を稼ぎたい(BFDの奉仕を通じて、最大20点を稼げる)
- Vorpraktikumのため
一方外国人では、こんな理由も‥
- ドイツに留学などの目的で来たけど、その学校の席をもらえなかったので似たような分野で仕事経験を積む。(例:医学部入学希望だったけど入れなかったので、介護士の仕事を知るためにBFDとして働く)
- ドイツの制度の関係で、やりたい仕事と自分の学歴が合わないため、とにかく知識なく働ける機会として利用する。
- ドイツの社会に溶け込む入口として利用する。
まぁ実際10人いれば10通りの背景があるのだけど、多いのはこんな感じだ。
実際私がBFDとして働いているときに、こんなことを言われたことがあった。
「日本人がBFDしてるの?なんか聞いたことがないねえ。変な感じがするね。」
「給料300€なの?!ありえない!他のアルバイトの方がいいんじゃない?どこか紹介してあげようか?」
などなど‥。というのは、私のような外国人がドイツの社会に入るのにどれだけ大変か知らない人達が言ってくることだ。でも彼らが言うことは半分本当。自分も実際、ドイツの制度の関係でこのBFDを利用する以外なかったということは、逆に利用されているような気もしていた。
日本人が‥というのは、日本は先進国なのに、なんでそんな安い月給のBFDなんかしているの?という意味だ。確かに私がBFDをしている時、日本人には一人も知り合わなかった。
月給300€というのはあくまで表面的なものであって、保険や年金などは100%勤務先負担で払ってもらっている。だから、ミニジョブと呼ばれる450€以下のアルバイトで保険や年金を自腹で払うよりはよっぽど割がいいのだ。
‥というのはいいとして、ここからが本題。
私の勤務先に、17歳のドイツ人のBFD君がいる。彼はRealschuleを卒業して、進路に迷った末ここにたどり着いた。最初は「保育士になりたいとは思ってない。他のもっと稼げる仕事がいい」と言っていたけど、彼は子どもたちとよく関係を築いたし、17歳なのによく頑張っていた。そうして1年の奉仕姿勢を職場から評価され、本人もこの仕事に喜びや適性を見出したもよう。現在学童教諭になるため、私と同じ保育士のPIA-Ausbildungを希望している。
本来であれば、まだ2023年9月入学の申し込みに間に合うし、本人も十分準備が出来ている。ただ、保育士のPIA-Ausbildungを始める条件の関係で、もう1年BFDを延長せざるを得ないことになったのだ。
というのは、条件でRealschuleを卒業した者は、1年間Berufskollegという勉強をするか、2年の実習(BFDもカウントされる)をしたことが条件になる。彼はもう勉強はしたくないらしく、実習の道を選んだ。
今の状況からあともう1年BFD(実習)をするなんて、何の意味があるのだろう。彼はもう子どもたちと関係を築いたし、学童での仕事がどんなものなのか、良い部分も悪い部分も一通り見てきた。仕事にも真面目にちゃんと来ているし、BFDとしてやるべきことはすべてやったのだ。
そもそも、これだけ保育士が足りていないという状況で、なぜ2年間もAusbildungの前に実習させる?
保育士って、そんなに条件の高い仕事なのか。そもそも、やる気がなければこんなハードなAusbildung続けられないから自然と脱落していくだろう。
ちなみにGymnasium卒業の者の条件は、6週間の実習だけ。2年と6週間の違いって、大きすぎやしないかい?!
保育士への入り口をもっと広げるべきだと私は思う。
そして、今回のような話を聞くとたまにこういった意見を言う人がいる。「そうやってドイツはBFDの制度を安い労働力として利用している。」
あなたはどう思いますか?
#ボランティア #ドイツ #ビザ #若い力
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