ブログの読者さんからたまに問い合わせをいただく、私がドイツ語の公式証明なしでAusbildungを始めた時のことについて。
理由はおそらく、『1年半のBFDの仕事経験と学校説明会の質疑応答で質問をしたことで、私がAusbildung始めるくらいにドイツ語を話せることを証明できたから』だと思っている。
まぁ、あの時はラッキー!と思った。だが、3年のAusbildungを終えドイツで学童保育士として仕事をしている私はこう言いたい。
『悪いことは言わない。後で苦労したくなかったら、入学前にC1(最低でもB2)取っとけ。』
理由1:授業やテスト、実習ではC1レベル以上のドイツ語が必要とされる
運よくドイツ語証明書なしで入学した私だが、入学後、授業やテストではドイツ語に苦労した。
結局、3年間の怒涛の日々でドイツ語力は最初よりもかなり上がったが、最初は本当にきつかった。
一般的に”保育士のAusbildungにはB2が必要”とされているが、私の解釈はこうだ。
保育士のAusbildungで、悪い成績でもとりあえず卒業できればいい→B2
保育士のAusbildungで、それなりに良い成績で卒業したい→C1以上が必要
私は入学後、授業の内容は理解できるものの、それをテストの際に自分の言葉で表現するのが難しかったし、なかなか点数を稼げなかったのがとても悔しかった。
理解していることをB2レベルのドイツ語で表現して、内容的にはほぼ正解でも、先生にとっては足りないという人もいるし、点数をまったくくれない人もいる。
ここでC1レベルの人だと、表現力も幅が広く、よりドイツ人ネイティブに伝わるドイツ語に近いところで表現できるだろうし、単語の厚みもあり、とにかく伝わりやすい。
自分がバカで理解できないのではなく、理解できているのに、ドイツ語の勉強不足で思うように表現できない、その悔しさは外国語を勉強し始めたころに抱くフラストレーションに近い。
それは、Ausbildung始まる前にドイツ語をもっと勉強することで、軽減できたことでもある。ドイツ語の勉強を怠った自分へのバツだと思った。
理由2:外国人として生きる上でドイツ語の公式証明書は持っといた方が安心
ビザ申請や、何かしらの応募などの折に触れて、ドイツ語のレベルを測る材料として公式証明書の提示を求められることは多い。
私は当時学校から証明書の提出は求められなかったものの、ビザ申請の時に外国人局から提出を求められ、その時入学1か月前で休暇がてら一時帰国していたタイミングだったので、本当に大変だった。
結果、実習先と学校から一筆もらい、それを提出して認めてもらえたのだが、そこにたどり着くまでのストレスよ。その後も忘れたころに学校で聞いた『卒業試験の時にB2証明しないといけない説』。
こういうのって、実際C1レベル以上のところで毎日授業をして、ドイツ語にどっぷり浸っている私からすれば、本当にくだらない。新聞を読んでいる人に向かって『あなた字読める?』と聞いているようなものだ。
公式証明書を取っておけば、そんなくだらないことに振り回されたりしない。
理由3:仕事の日々ではC1以上のドイツ語が最低条件
Ausbildung修了後、ドイツでドイツ語を使って働くのであれば、当たり前だが他のドイツ人やドイツ語の上手な外国人と一緒に、100%ドイツ語で生活することになる。
当たり前なのだが、言葉って、仕事どうこう以前の問題で、できないと話にならない。日本で仕事をしていた時に日本語レベルが仮にN5以上だとしたら、ドイツでももちろんC1~2レベルが必要なのだ。
現在仕事で毎日のようにミーティング、書類を書いたりと子どもの世話以外にもたくさんすることがある。そんな時に、ネイティブ並みのドイツ語力の必要性を確かに感じる。
まとめ
ドイツでAusbildungをし、その後就職するなら、C1レベルのドイツ語力は当たり前として必要とされる。C1テストに向けて勉強した表現力、単語の数、かけた時間がその後の日々の学校生活で自分を楽にしてくれたり、後押ししてくれる。逆にその程度のドイツ語力がないと、学校生活は送れても、自分の満足できるレベルに留まることは厳しい。
勉強の成果として獲得したC1の証明書で、何かの折に申請する時は問題なくドイツ語力の証明をすることができる。
遅かれ早かれそこまでレベルを上げないといけないのなら、早く上げといた方が後が効果的だ。
当時はドイツ語の公式試験を受けたくなくて、色々と抜け道を探して入学までこぎつけた。
けどAusbildung修了し、ドイツで就職した今、解った。
紙面上のB2やC1だけが必要なのではなく、そこに至るまでにたくさん勉強し、自分の表現の幅を広げる、それがAusbildungに必要なのだと。
ここまで言っといてアレだが、私自身はここまでドイツ語公式証明書なしで来ちゃったので、この先どこまでいけるのか試すつもりでいる。
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