【緊張の瞬間】ドイツで新一年生の保護者会で、自己紹介の際に日本人丸出しのアレをしてしまった話

ドイツの学童保育

Ausbildungを修了し、実習していた学童保育にそのまま就職。そして、この新学期からFachkraftとして一年生の担任になった私。

 

今日は、子どもたちが入学する前の週のとある9月の夕方、新一年生の保護者向け説明会が開かれた時の話をしよう。

 

 

そこでは、小学校と学童についての説明がされる。上司から出席するように言われた私と、ほかの一年生のクラスのFachkraft2人は、職場の小学校の講堂にて集まったおよそ100人ほどの親御さんたちの後ろの方で、ひっそりと座っていた。

壇上には、新一年生を担当する教師陣と私の上司らが座っている。(ワタシらとの格差…笑)

校長からの入学お祝いの言葉、各クラス担任教師の紹介や連絡事項など、一通り学校生活についての説明がされた後、うちの上司が校長とバトンタッチし学童の説明へ。

 

そしてとうとう、私たちが全親御さんの前で紹介される瞬間が来た。

「1年a組学童担任、〇〇!」と壇上の上司が言うと、その同僚がその場で立ち上がって両親たちに笑顔で手を振る。 1年b組同様だった。そして、ついに私の番がきた。

 

「1年c組学童担任、カピバラ!」

 

自分より前方に座っている、すべての親御さんが後ろにのけぞって私を見る。200の目が私を見ていた。 落ち着け私。ここで、他の同僚と同じく立ち上がって笑顔を浮かべながら手を振ればよい。

頭ではわかっていたのだが、あまりの緊張に頭が真っ白になり、私は立ち上がり、まさかの日本人スタイル、『45度のお辞儀』を二方向に決めてしまった。

 

………。

 

自分でも再び座った後、『噓でしょ?ドイツに何年いるんだよ…』と思った。。

ドイツ生活7年目に入った私だが、中身はいまだに生粋の日本人だった。

 

 

くそっ、出だしからしくじった。だが、ここで落ち込んでいる場合じゃない。私はこの後もう一度別の場所で自己紹介をしないといけないのだ。 というのも、全体での説明会が終了すると、各クラスへ移動し、そこでクラスごとに詳しい説明会が行われる。そこで親御さんと近い距離で、もう一度自己紹介をすることになっている。

 

経験者の同僚からいただいたアドバイスによると、ここで言うことは最低限でいいらしい。というのも、その日は親御さんたちが受け取る情報量がものすごく多いため、それを考慮してのことだった。担任としての顔合わせで、顔を見せること、どんな雰囲気なのかが相手に伝わればOKなのだ。

 

 

教室に移動し、イスで円を作り、30人弱の親御さんたちと向かい合う形に。 緊張しすぎて、すでに吐きそうだった。だが、第一印象は大事!そう思い、気合を入れて自己紹介に臨んだ。

 

『1年c組の保護者の皆さん、こんばんは。私はこのクラスの午後の学童保育の担任になりました、カピバラです。本当はもう一人Fachkraftがいるのですが、彼女は今日は病気で休んでいます。私は毎日いて、彼女は週4です。来週子どもたちに知り合えるのと、親御さんたちとのZusammenarbeit(一緒に働くという意味。日本語で言葉あったっけ?)が、今からとても楽しみです。何かありましたら、いつでも私のところへ来てください。私もあなたのところへ来ます。』

 

 

本当にこれだけ。緊張のあまりドイツ語がつっかえたり、文法とか普通に間違えたけど、私がどんな人間か少しは伝わったと願う。 ありがたいことに、ほとんどの親御さんが微笑みながら話を聞いてくれた。

 

特に質問されることもなく、タスクであるプリントを配布し、『それでは私はこれで失礼します。皆様良い夜を。』と言って帰ってきた。

 

実際、この一番最初の保護者会の雰囲気は子どもの雰囲気を反映するもので、荒れる保護者会ではクラスも荒れるというのが一般的な理解である。翌日、a組とb組の同僚たちに話を聞いたら、向こうはけっこう大変だったらしい。色々と質問攻めされたり、親御さんがケンカをおっぱじめたり、教師が混乱してカオス発生、一番最初に自己紹介して退出できるはずが、存在を忘れられ最後までいる羽目になった、などなど…。

それにくらべてうちのクラスの保護者会は秩序正しく、穏やかだった。

 

 

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画像出典:https://www.ac-illust.com/main/detail.php?id=26029068&word=%E3%81%8A%E8%BE%9E%E5%84%80%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AD%E3%81%93

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