クラスの保護者からの差し入れに詰まっていたのは、優しさと深い配慮だった / 保護者の鏡

ドイツの学童保育

私のクラスには、とても立派な保護者の方がいる。

親としての見本のようなその姿勢は、学ぶことばかりで、「こんな素敵な人がうちのクラスにいてくれてありがたい」と、いつも思っている。

そんな方にまつわる、あるエピソードだ。

 

7月初旬、フライブルクに熱波が到来しており、空調のない小学校はまさに灼熱地獄だった時。

子どもたちにとってはとても過酷な学校環境だが、私たちにできることは本当に限られている。

そんな状況を見かねたその保護者が、差し入れにアイスを持ってきてくれた。

それだけでも、子どもたちや私たちへの優しさに満ちた心遣いなのだが、一緒に添えられていたお菓子の内容を見て、私はさらに感動してしまったのだ。

 

Salzstange、Käsestängle、Butterkekse
(プレッツェル、チーズスティック、バタークッキー)

 

それは、私たちが普段、午後3時のおやつの時間に子どもたちにあげているものと同じだった。

おそらく、子どもに「学童のおやつで普段なにを食べてる?」と確認して用意してくださったのだろう。

そこに私は、私たちの仕事に対する深い理解とリスペクトを感じたのだった。

 

私たちが子どもたちにこのお菓子を与えているのは理由がある。

「砂糖がそこまで多く入っていない」ということだ。

 

というのも、保護者の中には、子どもの誕生日だからといって砂糖たっぷりのチョコ、グミや飴などを詰め合わせて、クラスの子ども全員に配る人がいたりする。

もちろん、そういったお菓子を学校で食べるべきではない。家に持ち帰って食べるならまだよい。

だが、先日隣のクラスの教師がそれを許してしまったらしく、子どもたちはその砂糖まみれのお菓子をたらふく食べてしまった。

 

その後、彼らが午後の学童保育でどうなったかは、容易に想像がつくだろう。

 

ドイツ語に「Zuckerschock(砂糖ショック)」という言葉があるように、子どもたちは完全に落ち着きを失い、興奮状態で、まるでワナワナと震えているかのように多動だった。

どうか、そのハイになった子どもたちの面倒を見る私たちの身にもなってほしい。

本当に骨が折れるのだ。

 

この保護者の方のように、子どもたちのことだけでなく、私たち教職員や学校の方針にまで心を配ってくださる姿勢に、私は深く感動したのだった。

 

誰にでもできそうで、なかなかできないことだと思う。

 

こうしたさりげない思いやりが、私たちの日々の保育や教育の現場にとって、どれほどありがたく、助けになっているか。

 

「喜ばせたい」という気持ちと同時に「みんなが安心して過ごせるように」という視点を持ってくださる保護者が増えたら、どれだけ素敵な学校になるだろう、としみじみ感じた出来事であった。

 

 

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