【日記】助けを求めるという勇気、一度立ち止まる勇気

日記

私のAusbildungのクラスには、他にも2人の外国人がいるのだが、彼女らは私以上に疲れ果てていて、負のエネルギーを纏っている。

私は現在ギリギリのエネルギーで残りを生き延びようとしているのに、これ以上彼女らに近づくと吸い取られ空っぽになってしまう。残念だが今の私に彼女たちの助けになるような余力はない。

だから3年目になってから、彼女らとは距離を置いていた。

 

それが今週、久しぶりに学校でそのうち一人と話すタイミングがあった。

今週実習先試験があるらしく、それについてすでに終えた私に聞きたいことがあるとのこと。久しぶりにちゃんと正面から見た彼女は化粧っ気もなく、目の下には大きなクマが出来ていた。

話しているうちに、彼女がふと言った。

『なんかさ、もう最近頑張る気力がないんだよね。前まではどうにかやってやるぞ!という気合いがまだあったんだけど、もうそれすらもない。授業も全然頭に入ってこないし、覚えられなくて自分がすごく忘れっぽくなったと感じる。あと最近はもう2時間くらいしか眠れないんだ。』

今までずっと健康に生きてきたのに、ドイツで保育士のAusbildungをして精神病んだとか、笑えないよね、はは…と、乾いた感じで彼女は笑った。

 

話を聞いて、これは結構やばい状況だなと思った。

去年5月の自分よりも状況は悪そうだ。当時の私の話をして、彼女に今すぐかかりつけ医に事情を説明し、1~2週間くらい診断書をもらい、休むようにと強く強く言った。お願いだから、わかったそうすると言ってくれ…!

彼女の返事は『今週実習先試験もあるし、それが終わったら様子を見るよ。』

こういう返事の時は、だいたい何もしない。様子を見るフェーズはとっくに過ぎているではないか。

 

以前から彼女は、時折何か問題があると学校のソーシャルワーカーの方とコンタクトを取り、相談に乗ってもらったりしていた。今回はそれも利用しなかったようである。思いつきすらしなかったのだろうか。

 

 

私が去年の5月に疲労困憊で2週間Ausbildungから離れた時、人に助けを求める勇気だけはあった。本当にやばい時は人前で泣いて訴えることができて、そして助けてくれる人がいた。

なにしろ、一度立ち止まるというのは、とても勇気がいること。周りから強要されないと出来ない時だってある。私の時は上司が『明日は仕事に来るな。カピバラのAusbildungのタスクはどれも重要じゃない。』と言い切ってくれたおかげで、だんだんと休もうという気持ちになれた。

ブログにも正直に書いたし、休み明けに心配して聞いてきたクラスメイトや先生方、周りの親しい友人たちにも隠さず言った。こんなに頑張っているのだ、恥ずかしいことだとは思わなかった。周りが自分の状況について知ることも、重要だと思ったからだ。

そして、それを経て自分自身の成長を感じている。私は自分の弱いところを知り、以前より確実に強くなった。

ただ、こうして周りに打ち明け助けを求めるということは、皆が出来ることではないらしい。

『カピバラは勇気があるね。』と彼女は言った。

じゃあ、勇気がない君はどうするの?このまま精神病んだ状態で卒業試験の重圧に耐えきれるの?

 

 

立ち止まることができない理由を並べればいくらでもある。

実習先が人手不足、学校のテストがある、残りあと少しだから頑張る、ビザが…

どれも心底どうでもいい。自分自身の健康に代えるものなど一つもないのだ。

 

どうにかAusbildungやり切りましたが、精神を完全に病んでしまったので働けません。だなんて到底笑えない。

 

少し休んだら、周りがもう少し見えてきて、また人生楽しくなるよ。前よりもっと成長できるよ。私はそれを伝えたかったのだけど…

 

外国人の私たちがにとってこのAusbildungがよりツライ理由は、言葉の面だけが理由じゃない。

それについては別の記事で書こうと思っている。

 

 

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