【2025年最新】ドイツで保育士になるには?PIAと学校型Ausbildungを収入・実習・期間で徹底比較!

Ausbildung

はじめに:ドイツの保育士資格、2つのルート

ドイツで保育士になるには「Ausbildung(職業訓練)」を受ける必要がありますが、実は2つの種類があるのをご存知ですか?

  • Schulische Ausbildung(学校型)
  • PIA-Ausbildung(実践統合型)

どちらを選ぶかで、学び方・働き方・収入・時間の使い方が大きく変わります!

 

比較早見表:PIA vs. 学校型

 

PIA-Ausbildungの特徴とメリット・デメリット

特徴

  • 3年間、学校と実習を並行
  • 実習先で働いた時間も学びとしてカウントされる
  • 給料が支払われる(=職員の一員として扱われる)
  • PIAでは、3年間を通して基本的に同じ実習先(Kitaなど)で勤務する
  • そのため、現場の人間関係・子どもたちとの関係を深く築ける
  • 実習先でそのまま就職につながることも多い

 

メリット

  • 実践力がつく
  • 給料があるので生活が安定
  • 現場での経験が多いため卒業後スムーズに就職できる
  • 環境に慣れるまでの負担が少ない
  • 長期的な視点で子どもと関わる経験が積める
  • 同じ実習先で評価を受けるので、信頼関係がキャリアにつながりやすい

 

デメリット(一般的な)

  • フルタイム並のスケジュールで時間の余裕が少ない
  • 学業と仕事の両立が大変(特に語学がまだ不安な人にはきつめ)
  • 学校の長期休暇(イースター・夏休み・クリスマスなど)も、実習先では通常通り出勤扱い
  • ※学校型の場合はこの期間はまるまる休みになるため、自由時間の差が大きい
  • つまり、“学生のスケジュール感”ではなく、“社会人の働き方”にかなり近い

デメリット(実習先の固定性)

  • 3年間同じ実習先で学ぶことは安定していて安心感がある一方、
    「施設が合わない」「人間関係がきつい」と感じた場合に変更が難しい
  • 途中での変更は、原則学校と実習先、両方の合意が必要
  • 実習先によっては、支援やフィードバックの質にも差があるため、ミスマッチが続くと精神的にしんどい
  • 他の分野を経験するのは、Fremdpraktikumという15日間×2回の課外実習だけなので、他を知るチャンスが少ない

 

学校型Ausbildungの特徴とメリット・デメリット

特徴

  • 最初の3年間は基本的に学校中心だけど、実習も段階的に組み込まれている
  • 私の出身校では、
    1年目は週2日実習
    2・3年目は週1日実習
    という形で、現場経験も少しずつ積んでいける
  • 4年目に1年間の<<Anerkennungsjahr(認定実習)>>を経て資格取得
  • 実習先は毎年変更する必要あり
  • 例:
    1年目 → U3(0〜3歳の乳児グループ)
    2年目 → Ü3(3〜6歳の幼稚園)
    3年目 → Ü6(学童保育/Hortなど)
  • ※例外的に、学校や実習先の許可があれば同じ施設に2年連続で留まれる場合もある
  • これはさまざまな年齢層の発達段階を理解するための配慮

 

メリット

  • 座学にたっぷりと時間を取れるので、複雑で幅広い教育学をしっかりと学べる。
  • 座学だけな訳ではなく、少しずつ実習を経験できる
  • さまざまな年齢層1年ずつ関わることで、それぞれの分野でそこそこちゃんとした現場経験が得られる自分に合った年齢層や施設スタイルを見極めるチャンスがある)
  • 学んだ理論を実際の現場で試すチャンスがある

デメリット

  • 実習はあくまで「お試し」的な位置づけなので、責任のある業務や本格的な実践力はPIAよりは少なめ
  • 実習時間が短いため、「もっと現場に出たい」と感じる人には物足りないかも

 

補足コラム:意外と盲点?「休みがない問題」

PIAは学校休暇中も実習先で働くのが原則なので、「たくさん休める」と思っていた人にはギャップを感じることがあります。ただし、有給休暇(年間2030日)はあり、実習先が閉まっている夏やクリスマスにまとめて取ることは可能。ただし、生活は基本フルタイム勤務に近いため、自己管理が重要です。一方、学校型は年間3か月ほどの長期休暇があり、自由時間に余裕があります。

 

学校型の4年目「Anerkennungsjahr」とは?

  • Ausbildungの最終年度(4年目)は、Anerkennungsjahr(認定実習)という
    フルタイムの現場実習が1年間行われる
  • この1年をクリアして初めて、正式に保育士(staatlich anerkannte Erzieher:in)として認定される

柔軟性のある制度

  • 半年ごとに実習先を変更可能! → たとえば、前半は幼稚園(Ü3)、後半は学童(Ü6)など
  • 外国での実習もOK! → 海外のドイツ語圏(スイス・オーストリアなど)や一部国際園でも可能
  • この柔軟さは、自分の適性を見極めたり、広い視野を持つのに大きなチャンス

メリット

  • 実習先の選択肢が豊富なので、幅広い現場経験ができる
  • 「いろいろな年齢層を見て、自分の“得意”を探したい人」に向いている
  • 「将来海外でも働きたい」と考えている人にも◎

 

PIAと学校型:収入の安定感の違い

*BAföGの審査基準は、滞在歴や働いた年数などです。

 

【PIA vs 学校型】あなたに合ってるのはどっち?

PIA-Ausbildungが合ってるのはこんな人!

  • 毎月安定した収入(給料)が必要
  • 実習先での人間関係をじっくり築きたい
  • 家庭がある/子育て中などで生活との両立を重視したい
  • 実践的に学ぶのが好き、座学より現場派
  • 早めに現場で働いて経験を積みたい&キャリアにつなげたい

 

ワンポイント:

  • 「給料をもらいながら勉強できる」のは最大の魅力
  • でも実習先が合わない場合の変更が難しいので注意!

 

学校型が合ってるのはこんな人!

  • 勉強メインでじっくり理論を学びたい
  • 年齢別(U3, Ü3, Ü6)など幅広く経験したい
  • 外国でAnerkennungsjahrをしてみたい
  • BAföGの申請が通るなら収入面もある程度OK
  • 将来は大学進学(Fachhochschule)も考えている

 

ワンポイント:

  • 実習先を毎年変えるのは「大変そう」に聞こえるけど、自分の適性をじっくりと知るチャンス!
  • BAföG支給が不安定なこともあるので、生活設計にはちょっと計画性が必要かも

 

最後にちょっとアドバイス

PIAも学校型も、「正解」は一つじゃない!

学校型もPIAも、それぞれにメリットとデメリットがあります。

大切なのは、自分に合ったものを選ぶこと。

  • あなたの今の生活状況
  • 性格
  • 学び方のスタイル
  • 将来の夢

「どっちが正解」ではなく、「どっちが自分に合ってるか」です。

 

コメント