これはこのAusbildung中に自分自身が感じたことと、周りを見て思った事だ。
『自分にはコレがある』というのは、夢中で打ち込めるものがある人、家・学校・職場以外に自分の居場所がある人のこと。
間違いないのは、それを持っている人は…
- ストレスに強い
- 周りのネガティブな影響を受けにくく、頭がすっきりとしている
- 切り替えが早く、物事を必要以上に深く考えない
- 不要なところで躓いたりせず、安定している
- 精神的にバランスが取れていて、仕事にもメリハリがついている
でも『自分にはコレがある』って言えるひとは、いったいどれくらいいるのだろう?
ちなみに私だって、自分にはコレがあるとは言えない。色んなことをまんべんなくできるけど、絶対的に自信を持ってできるような何か、ずーっと前から続けてきた何か、そういったものはない。
熱心に何かの活動に打ち込むとか、そういうのもなかった。
それは困難から立ち直る力、レジリエンスにも関連してくると思う。
例の一つとして、クラスメイトのティーネイジャ―A・B・C君の話をしよう。
A君は、地元の消防団に所属していて、そこでの活動に精を出している。
B君は、サッカーの才があり、地元のクラブチームでキャプテンを務めている。
C君は、とても良い性格をしているのだが、これといった何かはない。
3人とも基本的にかなり優しい性格の若者。保育士の仕事をやっている理由がよくわかるような子たちだ。学校の成績はまあまあ。よく授業中におしゃべりをして先生に注意されている。
このAusbildungが始まって、誰もが色々あった。
成績が悪かったり、相性の悪い先生がいたり、毎日が忙しかったり、恋人に振られたり、仕事でさんざんな日があったり、ケガをしたり…。
そんな中去年、C君に変化があった。C君はAusbildung中にずっとお付き合いしていた恋人に振られた。傷心中、何もかもが嫌になって、自分に自信がなくなって辛かった時に、新しく入ってきたクラスメイトの男子たちがかなり不真面目なタイプで、C君は彼らにつられて不真面目な方向に退化していってしまったのである。いきなりタトゥーを入れ始めたり、パーティにいそしんだり、なんとまぁわかりやすい形で変化していった。
A君とB君は変わらなかった。彼らにも色々とあったと思う。でも、C君とは普段通り仲良く、不真面目なクラスメイトたちとはつかず離れずの良い感じの距離を取りながらうまく接していた。
彼らにあって、C君にないものは何か。私は『自分にはコレがある』だと思った。
正直、こういうことって学校生活でいつどのタイミングでも起こりえることだ。
それをはたから見ていた私は、とても残念に思うと同時に、自分が関わった子どもたちにはこうなって欲しくないなぁとつくづく感じた。
だから、子どもたちが『自分にはコレがある』になれるよう、色んな方向からお手伝いをするのも私の仕事の役目なのかな、と思ったのだった。
#ドイツ #Ausbildung #PIA #保育士 #アウスビルドゥング #実習先 #経験 #仕事 #日本人 #子ども #レジリエンス #安定 #精神
コメント