今回の一時帰国で、体力的にも精神的にも一番しんどかったのは、成田空港で飛行機を降りてから入国審査を通過するまでの間だった。
12月19日木曜日、19時頃。ドイツの自宅から丸一日かかって、ようやく成田に到着した私たち。しかし、空港で待っていたのは長蛇の入国審査の列だった。
私は日本のパスポートを持っているため、自動ゲートを使って5秒足らずで手続き完了。ところが、同行していたうちのドイツ人とその母は、入国審査に1時間以上かかる羽目に。
外国人の入国が遅れる理由
理由をざっくりまとめると、以下の2点だと思う:
- 日本の煩雑な入国審査手続
- 観光客の急増に対応できていない空港体制
まず、外国人観光客は入国審査の列に並ぶ前に「入国カード(Arrival Card)」を記入する必要がある。カードの内容は以下の通り:
- 氏名、国籍、性別、生年月日などの個人情報
- パスポート情報(番号、有効期限)
- 滞在先住所(ホテル名、住所、電話番号など)
- 滞在目的(観光など)
この「入国カード」も問題の一つ。すべての項目を埋める必要があるが、その説明が不十分で、記入漏れで戻される人が多かった。また、列の入口で係員が1人でカードを確認していたが、いまいち相手にきちんと伝わっていない場面もある様子だった。
列に進めたとしても、そこからがまた長い。列は8回ほど折り返し、ようやく審査官のカウンターにたどり着く。指紋の採取と顔写真撮影を経て、入国カードとパスポートを提出し、最終的な質問を受けて手続き完了となる。
さらに問題だったのは、開いている入国審査カウンターが半数の約8つほどしかなかったこと。これでは明らかに足りていない。生体認証が導入されているのに効率化には全くつながっておらず、むしろ混雑が悪化している印象だ。
自動化ゲートの存在
そんな中、入国審査カウンターの横には目立たない形で「FIRST LANE」と「自動化ゲート」というゲートが設置されていた。誰も何の案内もしていない、放置状態のゲートに興味を持ったので調べてみたところ:
- 「FIRST LANE」は、一部の特別な条件を満たしたビジネス観光客など向けで、一般の観光客には無関係。
- 「自動化ゲート」は、日本人および一部の外国人が利用できるゲート。事前に登録を行うことで、パスポートと生体認証だけで入国審査を完了できる仕組み。
この事前登録は飛行機を降りてから自動化ゲートに着くまでに、登録カウンターにて登録することができるそう。登録していない場合はもちろん利用不可。
おそらく外国人にとってのハードルも高いだろう、観光客にはほとんど使われていない。案内や説明もまったく不十分で、せっかくの仕組みが活用されていない現状が惜しいと思う。
私もその後調べてみたのだが、うちのドイツ人はおそらくあの時、その場で登録してこの自動化ゲートを通じてスムーズに入国審査ができたであろう。雰囲気に飲まれて、皆が並んでいる一般の入国審査の列に一時間以上並ばせて大変しんどい思いをさせてしまったことをとても悔いている。
改善してほしいこと
- 入国カードの記入をオンラインで事前に済ませられるようにしてほしい。
- 係員の増員や、手続きに関する案内の強化
- 自動化ゲートの登録をもっと簡単に、外国人観光客にも利用しやすくすれば、混雑の緩和に大きく役立つはず。
- 老人や妊婦、幼い子ども連れは優先レーンから通すなどの配慮
1時間以上の待ち時間に疲れ切り、空港を出る頃にはすっかりエネルギーが尽きていた。
外国人観光客は、遠い日本まで飛行機に乗ってはるばるやってきて、見た目以上にかなり疲労している。旅路の始まりがこれでは、印象が良いはずがない。
一刻も早い改善を切に願う。
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