ドイツの学校では、毎年11月頭に一週間の秋休みがある。私の職場の小学校では、この期間学童保育を提供している。8時から17時までぶっ通しの学童保育はなかなかキツイが、普段接点の少ない他のクラスの子どもと知り合う良い機会と捉えることもできる。子どもたちからしても、普段と違う教諭のもと、ゆるい雰囲気で宿題もなく、たくさんのアクティビティがあって、なかなか楽しそうだ。
事前ミーティングでアクティビティの計画を立てた際、私はKinderschminken(子どもの顔にモチーフを基にした絵を描く)の係となった。
肌用の水彩絵の具と筆で描くのだが、何しろ経験が無かったので最初はちょっと自信がなかった。
テーマはハロウィンだが、子どもたちには自由に選ばせてみる。
Google で「Kibnderschminken」と入れて検索すると、様々なモチーフが出てくる出てくる。
魔女、骸骨、お姫様、人魚、スーパーマン、ユニコーン、ピカチュウ…
子どもたちがなかなか本格的なお手本ばかり選ぶものだから、簡単なのにしてよと言いたかったが、挑戦したい気持ちもあり、なるべく希望に沿って妥協せず描いた。だから一人30分くらいかかった。。
最後にラメをちょちょっと付ければ完璧だ。仕上がり度がぐっと上がる。
頑張った甲斐あって、仕上がりに子どもたちは大満足。行列がどんどん長くなっていく。
でもこんなにダイレクトに顔にかいたところで洗顔で落ちるのか、一日目が終わって家に帰ってから、なんだかドキドキしていた。明日あさイチで苦情もらったらどうしよう…
だが翌日きれいさっぱり何の跡もない子供たちの顔を見て安心した。肌が荒れた子も一人もいない。同僚によると、今回使ったEulenspiegel というドイツのメーカーが肌にとてもやさしいらしい。
そこからは吹っ切れて思い切り描いていった。
当初は月火の午後だけの予定だったが、ものすごい人気のせいで結局毎日、一日中やることになった。この4日間、仕事の90%Kinderschminken をしていた。
同僚たちからも、「いや~、本当にすごいね。才能だね。」と誉め言葉を次々といただいたが、さすがに疲れた。
今日の仕事帰り、私が人魚姫のschminken を施した子どもとお母さんに遭遇した時、お母さんが私に言った。
「Kindeschminkenはこの子にとって、今日の最最最重要事項だったの!(笑)昨日してもらえなくてすっごく悲しがってたの。もうね、すごかったのよ。だから、今日は朝学校ついたらすぐに聞いてみなさいって言ってたの。本当に才能があふれているのね、すごいわ。」
それだけ喜んでくれたなら良かった。これを通じて秋休みの学童保育も悪くないなと思ってくれたらバンザイだ。
#ドイツで働く#学童保育
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