【日記】前半:学童保育という特殊な職場環境により、8月までAzubiだった私は9月からAzubiを指導する立場に

学童保育士

実習生を指導することになった経緯

Ausbildungを終えた夏休み前のこと。

事務所では、新学期からの各クラスの人員配置を考えていた。

 

その際、私ははっきりと言った。

「私はまだ新米だから、1年生のクラスを受け持つだけで精一杯。それに加えて実習生の世話までは到底できない。」

 

すると、返ってきたのはこんな言葉だった。

「わかってるよ。私たちも、カピバラにいきなり実習生の面倒を見させるつもりはない。」

 

ところが、新学期のチーム編成を知ってびっくり。

私はしっかりと実習生をチームに抱えていた。

あの返事は何だったのか。

 

だが、状況を整理すると、理由がなんとなく見えてきた。

 

学童保育における実習生の配置

実習生には、それぞれの学びに合った主力教諭がつく。

  • 保育士のAusbildung をしている実習生には、同じ経験を持つ教諭。
  • 教育系やソーシャルワーカーのStudium をしている実習生には、それに対応する教諭。

ちなみに逆を言うと、

  • 保育士のAusbildungを修了した教諭 → 保育士のAzubi(実習生)の指導が可能
  • ソーシャルワーカーのStudiumを修了した教諭 → 保育士のAzubiだけでなく、教育系やソーシャルワーカーのStudiumをしている実習生の指導も可能

 

私の職場は学童保育。

そのためか、うちが特殊なのかはわからないが、ソーシャルワーカーやそれに近い資格を持つ主力教諭が圧倒的に多く、30人中27人。

一方で、保育士の資格を持つ人は、私を含めてわずか4人。(うち1人は両方の資格を所持)

 

今までは多くの実習生がStudiumの大学生だったのだが、ここ数年で保育士のAzubiの実習生が増えてきた背景もある。

このような状況のため、保育士のAusbildungを修了した教諭は貴重な存在となり、結果として、私はもれなく保育士のAusbildung中の実習生を指導することになるのだった。

 

G君との出会い

そして、私のチームの実習生は G君。

保育士の学校型Ausbildungをしている、18歳ほどのティーネイジャーだ。

私の受け持ちのクラスは新一年生。学童保育の中でも最も大変で手がかかる仕事。

そんな中、もう一人いるはずのベテラン主力教諭が、初日から長期欠席することに…。

私史上最大ピンチの中、G君は私の右腕となって、自発的に動いてくれた。

周りの誰もが、「彼はできる子だ」 と思った。

 

しかし、その鮮烈な印象もつかの間——

 

G君のモチベーション低下

1か月が過ぎると、G君は再び学校が始まり、実習に来るのは週にたった1日に。

同じタイミングで、私は新しい主力教諭をチームに迎えることになった。

 

ここからが問題だった。

 

G君のモチベーションが、目に見えて下がっていった。

学校がメインの生活に戻ったことで、実習がどこか他人事のように感じられるようになったのかもしれない。

また、新しい主力教諭が増えたことで、それまでの自分の居場所や役割を取られたように感じたのかもしれない。

さらに、Anleiterin(指導役の同僚)が妊娠し、欠席する日が増えたことで、ミーティングの機会がめっぽう減った。

その影響もあって、G君を後押ししたり、適度なプレッシャーをかけたりする機会もどんどん減っていった。

 

そして、気づけば——

G君は、ただいるだけの状態になっていた。

 

日を追うごとに何もしなくなり、そのうちスマホをずっといじるようになった。

以前のように子どもと遊ぶことはなくなり、完全に実習への関心を失ってしまったようだった。

 

私の余裕のなさ

そんなG君の様子を横目に、私は毎日、新一年生のお世話でてんてこ舞い。

隣で私や他の同僚が子どもたちの宿題を見ながらそこらじゅうを走り回っている状況下で、1人スマホをいじる彼は、もう完全にやる気なし、周りもまったく見えていない。

そこまで落ちてしまったのか…と、腹立たしいような、やるせないような、複雑な感情だった。

それでも私には、そんな彼の世話をする気力、余力がなかった。

というのも——

  • 新一年生との関係を築くこと
  • 新しく入った同僚とグループを作り上げること

これが、私の最優先課題だったからだ。

最初はすべてが手探り。しかも、私のグループは超大型で、

  • 超絶問題児が2人
  • 超問題児が3人

いるという、なかなかの環境。

Ausbildungを卒業したての経験なしの私、毎日の経験から学ぶ立場の私にはしんどい時間だった。

 

G君への責任感

でも、これは事務所にも事前に伝えてあったこと。

それを理解した上で、私はこの役割を任された(というか押し付けられた)。

とはいえ、G君に対して、責任を感じずにはいられなかった。

 

そして最近、超絶問題児のうち1人を解決し(手放し)、今年の2月になるとだいぶ仕事に余裕がでてきた。

そして、今からG君の指導にしっかり向き合おうと思ったのだった。

 

次の記事へ続く。。。

 

 

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