先日、私は職場に抹茶パウンドケーキを焼いて差し入れた。
事務所のテーブルに皿の上のケーキをポンと置き、ナプキンとナイフを添えて、グループチャットに一言。
「抹茶ケーキ焼きました。召し上がれ!」
すると、親しい同僚がすぐに反応してきた。
「ちょっとちょっと~!カピバラ、あんたまで抹茶とか言い出しちゃうの~ん?」
どうやら、最近の突然の抹茶ブームに私まで乗ったのかと勘違いしたらしい。
「違うんだよ!抹茶って日本から来てるの。最近、ここヨーロッパでブームになってるけど、歴史自体はすごく古いんだよ。」
すると同僚は目を丸くして、
「え、そうなの?!」
と本気で驚いていた。
その瞬間、私は気づいた。
――抹茶をよく知らない人には、この“空前の抹茶ブーム”がちょっと滑稽に見えるんだな、と。
そんなこんなで仕事が始まり、しばらくすると次々に反応が届いた。
「カピバラ~、抹茶ケーキ美味しかったよ!」
「カピバラの抹茶ケーキ、やばい。マジで爆弾!」
「いや本当に美味しかった。」
評判は上々で、ほっと一安心。
ところが、例のギリシャ人の同僚ティナからはこう言われた。
「美味しかったけど、あんまり甘くなかったよね。あれって砂糖入ってる?笑」
確かに今回のレシピは甘さ控えめ。でも、ケーキとしてはちゃんと成立しているレベルの甘さのはずだ。
ティナは続けた。
「日本のレシピなら、それくらいが普通なのかもね。ギリシャって、お菓子がめちゃくちゃ甘いのよ。ほら、バクラヴァとかシロップたっぷりでしょ?」
――そこでハッと気づいた。
仕上げのシロップを塗らなかったのだ。
そうか、あのシロップの甘さも含めて完成だったのか…!
(後日、シロップありで作ったら、甘さもちょうどよく、食感もぐっと良くなった。)
20代の若い同僚たちには特に評判がよく、自分でもかなり気に入った。
なので、私のケーキのレパートリーに正式採用~!



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