街に繰り出し、ドイツのティーネイジャーと語り、彼らの興味関心を知る

日記

水曜日の午後17時、ワークショップを終えた私たちは一日で一番暑い時間、歩きながら旧市街へ向かう。まずはアイスを食べようということになった。

多数決で、Theater(劇場)の近くにあるアイスディールに行くことに。ここは、アイス類(ミルク系)もシャーベット(果実系)も種類が充実していて、味もなかなか美味しいのでおススメだ。

ダブルコーンを片手に、近くの広場の木陰に腰を下ろす。

私たちはいろんなテーマについて語り合った。彼らの多くは18歳で、去年Abitur(高校卒業試験)を終えたばかり。本来だったら今頃一年外国に行って色々な経験をしたり、やりたかったことを実現しているはずだった。それがコロナのせいでどこにも行けず、籠の中に閉じ込められていた。

彼らの多くは、この後何をしたいかまだ模索中だった。こうした将来に迷う子たちの多くがBFD/FSJ制度を利用し、経験を集め、同時に履歴書の空白を埋める。だんだん私たちの契約期間の終了が近づき、いよいよ彼らはこの後何をするか、本気で考えないといけない時期になっていた。

「Bufdis終わった後、何するか決めた?」「ううん、まだ全然決めてない。」

「親にいつも聞かれるんだけど、なんて答えればいいのかわからない。難しいよね。」「ほんとそれ!一番いやなテーマだよ(笑)」

将来やることが少しだけ見えている子たちもいる。ミアは前の日記で書いたとおり、教師になるために教育学校へ行く。アナも同じくGymnasiumの教師になりたいと考えている。ルカは大学で化学を学びたいらしい。

日本の多数の大学と違って、こっちの大学では本当にみっちり勉強しないといけないので、中途半端な心持で大学に入るのはリスクが大きい。高校卒業後に何をしたいかわからない子が、無理に大学に行かずにBFD/FSJという制度を通じて職業経験を積んだり、外国に行ったりして、その時しかできない体験をできることは実にいいと思う。

テーマはベジタリアンに移った。驚くことでもないが、私以外の全員がベジタリアンだった。フライブルクは、以前の日記で書いた通り、ベジタリアンの街なのだ。

多くの人は全く肉を食べないわけではなく、時と場合によっては食べたりするが、自分からは好んで食べないというタイプだった。ヴィ―ガンとなると、ちょっと世界が違いすぎて、私はいつも心の中で距離を置いてしまうのだが、幸い彼らの中にはいなかった。ベジタリアンはやはり若い子に、女の子に、フライブルクに多い。

ブーッブーと、けたたましくクラクションを鳴らしながら走っている車が多数通りかかった。サッカーのファンだ。今、サッカーのヨーロッパ杯が行われていて、勝った国のサポーターが歓喜のクラクションを鳴らしながら街中を走っている。

みんな、サッカーには全然興味がないらしい。大きな業界の仕組みを知って、嫌悪感を抱いている子もいる。有名な選手のこととか、ドイツが今大会でどこと当たるかなど、誰も知らないのは面白かった。「クリスチアーノロナウドってどこの国の人だっけ?」という質問にはおどろいた。私もサッカーファンではないが、彼がポルトガル人の超有名スター選手だということくらいは知っている。

 

ちなみに彼らはその日一滴もお酒を飲まなかった。何回か、このあと何をしようかと話した時に、お酒を飲みに行くという考え自体がないように感じた。

10歳以上年齢が離れている彼らを見ていて、話しの節々から、興味関心は日本の同年代の子たちとあまり変わらないなという印象を受けた。

夜風が気持ちよくて、私たちは語り合いながら、夜の0時くらいまで街中をぶらぶらした。

少しずつ日常が、通常が戻ってきていた。

 

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