ドイツで仕事をするため、保育士という絶対に失業しない資格ーそれを取得するためにAusbildungを始めた私だったが、今気が付けば、そんなものよりももっともっと大切なことをたくさん得ていた。
質の高い教育者になるための教育を受けられた / PIAという強めのキャリアとゆるぎない自信
ドイツの教育の質は、世界の中でもトップクラスである。日本の教育とはそもそもが違う。個人に焦点を当てた、個人の力を伸ばすためのサポートだったり、自分をもっと信じるとか、普通に人が生きていく上で大切なことが詰まっている。私はそんなドイツの教育が好きだ。それを3年間毎日学んで、日々精進していった。
それに何より、ドイツでPIAをしたというのは周りを納得させる材料となる。私はこれからドイツで自分ができる数少ないことを探すのではなく、買い手市場の中で自分が出来ることを売りにし、仕事環境が自分に有利になるように会社に交渉することもできる。外国人でありながらも、立場的にそこまで強くなれたという点で、自分を心から誇らしく思える。
ドイツに存在しているだけの私→ドイツで生きる私に成長した
ドイツで生きるというのは、人それぞれ理想の形があると思う。
私の理想の【ドイツで生きる】は、日本にいた頃と同じように、色んな人と関わり合う生き方。色んな国籍の友人と関わり合い、ドイツの職場でドイツ語で働き、同僚と信頼関係を築き、たまに隣人と助け合い、行きつけのレストランの店員さんとおしゃべりしたり。そんな、地域に溶け込んだ生活がしたかった。そしてそうゆう風になるためのプロセスや自信をくれたのは、このAusbidlung。
ドイツに存在しているだけというのは、いるのがドイツなだけで実際は日本にいるのと変わらないような生活をしていること。関わるのはパートナーや親しい友人の輪の中または日本人界隈、日本食を毎日作り、使うのは主に日本語で、いまいち社会との接点がなくて分断されているような…。
ドイツに来たばかりの頃の私はそんな感じで、家やパートナー、友達以外に居場所がないことがすごく寂しいというか、もどかしかったのを、今でもよく覚えている。
BFDをきっかけにドイツの社会に入り始めた私だったが、BFDという立場からか、いまいち完全に職場に溶け込んだとは言えなかった。まだ若干お客さん的な扱いが残るというのだろうか。それがAzubiとして、目標を持って学ぶ立場になり、周りとの交流も深くなり、職場でも完全に溶け込めるようになった。
自分自身と深く知り合い、自分の弱さを知り、何回りも強く成長した
Ausbildungをするまで、自分が【完璧主義者】だなんて思ったことも、周りに言われたこともなかった。新しい環境に入ると、新しい自分の一面が見えてくる。
ストレスで疲労困憊になった時、どうにかその状況を突破しようともがいた。自分の限界を知り、弱さを知り、同時に強さを知り、いつも周りに支えてもらった。
この3年間は、人生で一番苦労した時間であると同時に、一番真剣に自分と向き合った時間だったとも言えよう。ギリギリのところから、自分を一番ふり幅大きく成長させてくれた。
ドイツ人と深く知り合えた、ドイツ人との関係の築き方を学んだ
Ausbildungのクラスという、自分の友達でもなんでもない人たちのグループに所属することになった私。そこは自分のコンフォートゾーンではない。それに、職場とはまた別の雰囲気を持っている。
ドイツ人は心を開くのに半年単位で時間がかかるとか、自分から声をかけなければ一生仲良くなれない(けど来る人はあまり拒まない)とか、ドイツ人は意外と深い親密な関係を好むとか…。
私はよく『クラスメイトとの生活がストレスだった』とは言っているけど、クラスにはちゃんと馴染めている。そんな気持ちになれたのも、ドイツ人たちと進んで交流するように心がけてからである。そして、相手を理解できたなと思えた時からは、クラスでの生活がそれほど苦にならなかった。
ドイツ人との関係の築き方ーこれについては、別の記事で詳細を書きたいと思っている。
ドイツで学校に通うということがどんなものか知ることが出来た
ドイツの学校、生徒、先生、授業の雰囲気やテスト、提出物うんぬん、学校生活を一通り経験したことは、今後に生きる貴重な経験だ。
もし今後ドイツで子どもを持ったりして、ドイツに住み続けるなら、ドイツの学校に通った自信経験を通して、子どもが学校に通う時の理解がより深くできるかなーと思う。
おわりに
最近Ausbildungのことについてネガティブに書きまくっていたから、今回はポジティブな面を挙げてみた。書いていて自分で気が付いたのだけど、Ausbildungを始める前と後じゃ、自分という人間が全然違う。自信に満ちて、社会に溶け込んだ私。それは、いつかの自分が憧れた姿だった。
もう9月からAusbildungを始めるという人もいるだろう。そんなあなたは辛くても、Ausbildungがあなたを必ず強くしてくれる。ドイツで生きるためにたくさんのヒントを与えてくれる。
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