春になり暖かくなると、いよいよフリーマーケットの季節が始まる。
ドイツやヨーロッパでは、フリーマーケットは日本よりもずっと生活に根付いていて、もはや文化の一部。春から夏にかけてが最盛期で、街のあちこちで週末ごとに開催され、季節の風物詩のような存在だ。
土曜日、私はフライブルクのとあるお金持ちが住む地区で開催された “Nachbarschaftsflohmarkt(ナッハバーシャフツ・フローマークト)” に行ってみた。直訳すると「近所同士のフリーマーケット」で、住人が自宅の前に不要になったものを並べて販売するというスタイル。これがまた楽しかったので、今回はその様子をレポートしたい。
このイベントには便利な出店マップのようなものは基本的に用意されていない。だから、自分の足で歩きながら出店している家を見つけていく。まさに宝探し感覚。とはいえ、家の前に風船が目印として飾られていることが多く、それを頼りに進んでいけば、自然と見つけられる。
しかもその地区は景観もとても美しく、歩いているだけでも飽きない。緑豊かな並木道に、立派な一軒家が並ぶ落ち着いた住宅街。まるで別世界を散歩しているような気分になる。
やはりこの地区に住んでいるのは家族連れが多いようで、並んでいる商品もそれを反映していた。ベビー用品や子ども服、ボードゲームや絵本など、子ども関連のアイテムが全体の半分以上を占めていた印象。
他にも、大人用の洋服やバッグ、スキー用品、少量ながらアンティーク雑貨もあったりと、バラエティ豊か。どのお宅をのぞいても「あ、これ欲しいかも」と思わせる何かがある。
特に素敵だったのが、あるお宅の出品。職人による手作りの木製デスクがなんと45€!とても惹かれたけれど、我が家には置き場所がないので泣く泣くスルー…。
また、木のフレームが美しい鏡もあり、かなり心惹かれたけれど、あとで戻ってきたときにはすでに売れてしまっていた。
そのほか、状態の良い中古の自転車なんかも売られていた。
私はといえば、別のお宅でTシャツを一枚購入。100%コットンで2€。帰宅して試着してみたら、とても着心地が良くてラッキーな買い物だった。
さらに別の家では、ショートパンツを見ていたところ、売り主の方が「試着してみる?」と声をかけてくれた。
「うちの階段の踊り場で良ければ、全然試着してもらって構わないよ!」
お言葉に甘えて、そのまま試着。ふと視線を感じて横を見ると、近所の小さな子どもがドアの外を通り過ぎていった。他人の家の階段でパンツ一丁の自分…。
やっぱり、お金持ちが出す品々は全体的に上質だし、彼らはそれで儲けようという感じがまったくない。値段設定は「とりあえず何かつけておいた」くらいのものも多く、かなり良心的。値切り交渉ももちろん歓迎される文化ではあるけれど、今回はどれも最初から十分安かったので、私は交渉するまでもなかった。
約2時間、あちこち歩き回って、すっかり満喫。いろんな人とちょっとした会話を交わしながら、じっくり商品を見て回る時間はとても贅沢だった。
“Nachbarschaftsflohmarkt”、本当におすすめ。春から夏にかけてあちこちで頻繁に開催されるので、もしタイミングが合えば、ぜひのぞいてみてほしい。
来月は、また違う地区のマーケットにも行く予定だ。
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