PIAの同級生が大学進学した。その違和感の正体とは?

Ausbildung

PIA-Ausbildungを卒業して、まだ一年も経っていない。
それでも、数人のクラスメイトとは卒業後も良好な関係を保っている。

卒業した24人全員のその後までは把握していないが、知る限りでは、多くがそのまま実習先に就職したり、別の幼稚園などで社会人としての一歩を踏み出していた。

 

そんな中、ひとりだけ大学に進学した人がいる。
現在、彼はフライブルクの教育大学で学生生活を謳歌しているらしい。

彼は、確か23歳くらいの若者。
正直に言って、私は彼のことだけはどうしても好きになれなかった。
(日本語で言う“生理的に受け付けない”というやつだ。)

言ってしまえば、まるで“逆コナン君”。見た目は大人、でも中身が子どもすぎて、見ていられない。
23歳という年齢にそぐわない言動に、何度も眉をひそめた記憶がある。

 

そして、彼の大学進学についても、率直に言えばポジティブな選択とは思えなかった。
理由は明快で、「まだ働きたくないから」。
さらに、「俺、大学行ってるけど?」と周囲に見せびらかしたいような雰囲気も感じた。

もちろん、「どうしても勉強したいことがあって進学する」のなら、それは立派な選択だと思う。
でも、あのスーパーハードなPIAをやりきった直後に、仕事経験を積むことなくそのまま大学に進むというのは——正直、筋が通っていない気がしてならない。

 

PIAは即戦力を育てるための、実践重視の訓練課程だ。
知識だけでなく、実務での対応力や責任感を問われる、3年間の“本気”の職業教育である。

だからこそ、そこを修了した人がいきなり「働きたくないから大学へ」という流れに乗ると、どこか違和感を覚えてしまうのだ。

とはいえ、彼の将来に興味があるわけではないし、進路の選択は本人の自由だ。
けれど、その“なんか違う”という小さなモヤモヤが、私の心の中にずっと引っかかっていた。

 

 

今こうして文章にしてみて、ふと気づいたことがある。
彼のように“幼さ”を感じさせる若者こそ、早い段階で社会に出て現実に揉まれることで、ようやく本当の意味で成長するのではないか。
いい歳になるまで学生でいると、後から取り返しのつかない差が生まれてしまう——そんな危機感があるのかもしれない。

 

そういえば、先日、卒業式ぶりに別のクラスメイトとばったり再会した。
彼はまだ19歳くらいの若い男の子。

何してるの?と尋ねると、卒業後はスポーツ系の幼稚園に就職し、6月で退職予定。その後、3か月ほど旅に出る予定だという。

まだ若いのに、仕事をして、お金を貯めて、自分の意思で旅に出る。
その話を聞いて、私は純粋に「えらいな」と思った。

 

どんな進路にも、それぞれの事情がある。
けれど、“努力して社会に出たうえでの選択”と、“社会に出ることを避けたような選択”とでは、やはり何かが違う。
それを無意識に感じ取っていたのかもしれない。

今後、彼のような人たちがどんな人生を歩むのか——
正直、そこにはあまり関心はないけれど、自分自身がどんな目線で人を見ているのかを振り返るきっかけにはなったと思う。

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