私が働くドイツの小学校では、Schulbegleiter(=スクールサポーター・学校支援員)が同伴している子どもが数人いる。
今回は、この仕事について少しお伝えしたい。
学校で働く!大学生でもできる「学校支援員」の仕事とは?
子どもたちの学校生活をサポートする**「学校支援員」(または「スクールサポーター」や「学習支援員」**)という仕事をご存じだろうか。
特別な支援を必要とする子どもたちの学びをサポートするこの仕事は、大学生のアルバイトとしても可能な場合があり、教育や福祉に興味のある人にとって貴重な経験となること間違いなし。
学校支援員の仕事内容とは?
学校支援員が支える子どもの持つ背景はさまざま。私の働くドイツの普通の小学校は、主にADHSなどの特性を持つ児童・生徒に対し、授業中や学校生活のサポートを行っている。
実際の学校の例
私の職場の小学校には、毎日Schulbegleiter(ドイツの学校支援員)と一緒に授業を受けている子どもが数人いて、彼らは普通のクラスにいる。通常、授業には同行し学童にはついてこない。支援員の役割は、学習のサポートだけでなく、子どもが安心して学校生活を送れるようにすること。
主な仕事内容
- 授業中のサポート(ノートを取るのを手伝う、集中を促す)
- 休み時間の見守りや声かけ
- 学校生活での困難に対するサポート
- 親・先生との情報共有
信頼関係が鍵!
この仕事では、子どもとの信頼関係を築くことがとても重要になる。特に、毎日同行することで子どもが安心しやすくなり、支援もしやすくなると言われている。
どんな人が働いているの?
学校支援員として働いているのは、さまざまなバックグラウンドを持つ人々
- pädagogische Fachkräfte(教育専門職) – 例えば、保育士、教職を学んだ人、特別支援教育の先生、ソーシャルワーカー、心理士、介護・福祉関連の専門家など、教育や支援の学歴・経験を持つ人たち。
- 大学生や未経験者も可 – 多くの自治体では、特別な資格がなくても、教育・福祉・心理学系の大学生がアルバイトとして参加できることもある。
どんな人が向いている?
学校支援員に求められるスキルや特徴として、以下のようなものがある。
- Einfühlungsvermögen(共感力) – 子どもの気持ちを理解し、寄り添う力
- Geduld(忍耐力) – 短期間ではなく、継続的にサポートすることが大切
- Flexibilität(柔軟性) – 状況に応じて臨機応変に対応できること
- Kommunikationsfähigkeit(コミュニケーション能力) – 先生や保護者と連携しながら支援を進める力
- Verantwortungsbewusstsein(責任感) – 子どもにとっての安心できる存在になる
実際にあった話
うちの学校で実習をしていた大学生が、実習していたクラスの生徒のために同行していたSchulbegleiter(学校支援員)から
「あなたは適性がありそう。うちでアルバイトとしてやってみない?興味があったら連絡して!」
と声をかけられたらしい。週に数回のアルバイトとして関わることも可能で、現場に興味がある人には良い経験になるだろう。
どうやって応募するの?
自治体の教育委員会、福祉関連のNPO団体、または学校と提携している派遣会社を通じて募集されていることが多い。「学校支援員 アルバイト ○○市」などで検索すると、求人情報が見つかる可能性がある。
まとめ
学校支援員は、特別な支援を必要とする子どもたちの成長をサポートする大切な仕事だ。支援を受ける子どもや親にとってはもちろん、学校の教師達にとっても大きな味方となる。学校支援員が一人ついてくれているだけで教師側としてはどれだけ心強いか、現場では実感することが多い。
近年、共生(Inklusion=インクルージョン)の考え方が広まり、多様な背景を持つ子どもたちが普通の学校で学ぶ機会が増えている。
共生の考え方や世の流れは、まだまだ現場の教育現場に「強制している」状態だと言っていい。その変化に現場が十分に対応できているとは言いがたく、教師が多くの課題を抱えているのも事実だ。
そんな中、学校支援員の存在はますます貴重になり、教育の現場にとっては本当に有難いものとなっている。
教育系大学生でも挑戦できることがあり、教育や福祉に興味がある人にとって貴重な経験になるだろう。特に、子どもと「狭く深く」信頼関係を築きながら働きたい人にはピッタリの仕事だ。
子どもたちの学びを支え、教育現場もサポートする。そんな素敵な仕事が気になる方は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
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