Ausbildung中に心に刻まれた言葉
Ausbildungの最中、担任の先生から何度も言われた言葉がある。
『あなた達は、ここを卒業したら一人前の保育士になる。それだけじゃない。
あっという間に責任者になったり、人の上に立つ立場になる。
…わかってる、私はもう同じことを何度も言ってあなたたちは耳タコでしょうけど、何度でも言わせて!
その時は、あなたたちが思っているよりもずっとずっと早くやってくる。
だから、常にそれを意識しておきなさい。』
先生の言葉は正しかった。
私がAusbildungを終えてわずか1か月後には、立場や仕事、そして責任の範囲が大きく変わり、より広く、より深くなっていたのだ。
予備知識1:ハーフオープンコンセプト
私の職場では、**ハーフオープンコンセプト(halb offene Konzept)**を採用している。
クラスやグループ単位で行動する時間半分、学校内の子どもがミックスで行動する時間半分というコンセプトで、近年多くの教育施設で採用されているタイプのものである。
だから自分のクラスの子どもだけでなく、学校内の子ども全員を面倒見る。
子どもが自分で行きたい部屋、遊びたいことを選択できる自由度が高い分、私たち学童保育士同士のコミュニケーションが不可欠となる、少しレベルの高いものでもある。 あとトラブルも起きやすい。
例えば、おもちゃの取り合いでケンカが発生したとする。私が間に入り、両者の気持ちを聞きながら仲裁した。こうした場面では、単なる解決だけでなく、子どもたちが自分で解決策を見つけられるよう導くことが求められる。
予備知識2:Ganztagsbetreuung(全日制学校内学童)
私の職場は小学校。授業が終わるとそのまま学童に移行するタイプ。
日本のように放課後別の施設に移動するのではなく、学校の一部として学童があるのが特徴だ。
私の一日の流れ
– 11:30 出勤 & 準備 または ミーティング
学童の子どもたちが来るのは 11:30 – 13:00 の間なので、午前中は主に準備時間。今日の活動内容を確認し、同僚と打ち合わせをする。
11:30 – 13:00 自由遊びサポート
授業が終わった子どもたちが学童に来る。子どもたちの自由遊びに付き合ったり、監督義務を果たしたりする(子どもたちを見守る)。
13:00 – お昼ごはん引率
子どもたちのお昼ご飯を引率する。
14:00 – 宿題 & 自由遊びのサポート
Stammgruppenzeitといい、ここからはクラス単位での時間となる。私たちは1年C組の教室で、始まりの会のようなものをしてから、宿題をする。宿題を手伝いながら、一人ひとりの進捗をチェックする。ある日は、「わからない!」と泣きそうな子に寄り添い、またある日は、宿題が終わらずイライラする子の気持ちを落ち着かせる。
15:30 – プロジェクト活動
毎週テーマを決めて、子どもたちと活動を行う。たとえば、ある週は「体育館で体を動かそう」、別の週は「アート制作」など、子どもたちに希望を聞いてから決めるようにしている。
16:45 – お迎え & 保護者対応
保護者と軽く話しながら、子どもたちを送り出す。「今日はどんな様子でしたか?」と聞かれることも多く、その日の出来事を簡単に伝える。
私の学童保育士としての仕事内容
- Stammgruppenleitung(担任クラスのグループリーダー)
- Begleitung der Azubi(実習生の指導)
- ミーティング(職場内・外部関係者との打ち合わせ)
- 学童の同僚との連携
- Elternkommunikation(保護者とのコミュニケーション)
- クラス担任教師との連携
- ドイツ語補助教師との協力
- ソーシャルワーカーとの連携
- 特別学童の同僚との協力
- Ferienbetreuung(休暇学童)
- Fortbildungen(各種研修)
トラブル対応
学童では避けられない「トラブル対応」も重要な仕事のひとつ。
- ケンカの仲裁:感情が高ぶっている子どもたちを落ち着かせ、冷静に話し合う場を作る。
- 怪我の対応:すぐに応急処置をし、必要があれば保護者に連絡。
- 保護者への報告:日常的な問題は軽く伝え、大きな問題があれば面談を設定する。
例えば、子ども同士の小競り合いが発展し、泣いてしまった子がいたとしよう。その子の気持ちを尊重しながら、相手の子にも「何が起きたのか」を冷静に聞き取る。こうした場面では、感情的にならず、公平な立場でいること、同時に私の凛とした態度も大切だ。
やりがいと大変なこと
やりがい
- 子どもたちの成長を間近で感じられる。
- 子どもや親御さんから「ありがとう」とか「カピバラがいてくれてよかった」と言われたとき。
大変なこと
- 慢性的な人手不足で業務量が多い。
- 多くの関係者と連携が必要。
- 勤務先の学校が荒れているタイプで、問題児が多いので日々の対応がかなり大変
学童保育士と教師の違い
学童保育士の仕事は、学校の先生と似ている部分が多いが、主な違いは「評価」や「成績」に縛られず、子ども一人ひとりの個性に寄り添うことができる点だと思っている。
授業ではなく、自由遊びやプロジェクト活動を通じて、子どもたちの「やりたい!」を尊重しながら関わることができる。学校では成績やルールが重視されるが、学童では「どうすれば楽しく学べるか」を一緒に考えることができる。
おわりに
学童保育士は、宿題のサポートや遊び、集団活動を通じて子どもたちの社会性を育み、安心できる居場所を提供する。また、勤務先の学校は移民や社会的弱者が多い地区にあり、問題を抱えた家庭も多いため、日々の対応が非常に大変だ。それでも、子どもたちの成長を見守ることに大きなやりがいを感じている。
日々の業務で常に頭の中にあるのは【監督業務の責任】。
学童は子どもたちをある程度自由に遊ばせる必要があるが、私たちはその自由を見守り、監督業務をしっかりと全うしなければならない。この部分が、学童の仕事を好むか、幼稚園の仕事を好むかを分ける大きなポイントだと個人的には感じている。
仕事中は本当に忙しく、常に次々と何かが起こり、一息つく暇もない毎日(トイレに行く暇すらないことも!)だが、子どもたちの成長を感じる瞬間や、親御さんからの「ありがとう」という言葉が、何よりの励みとなっている。
保育士の仕事は、もっと認められるべきだ。私の仕事は、本当に大切な仕事だと思っている。
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