ふとインスタグラムにポンっと出てきた、この映画の宣伝。
観に行けたらいいな~と思っていたら、本当に行くチャンスがあったので今回感想をお伝えしたい。
インスタグラムで宣伝出てこなかったら絶対知らぬまま過ぎてたと思うし、何ならこっち在住の日本人でこの映画のこと知らない人多いと思うから、インスタの広告効果はあると思う。
ドイツで公開は7月11日だったのに対し、私が観たのは8月18日。
フライブルクのとある映画館(ハリウッド映画はほぼなく、マイナーとまではいかないけど内容のあるいい感じの映画をあえてチョイスしている映画館)で、それは公開から1か月以上経った今でも週に3回、夜に上映されている。
まずここで、フライブルクの映画館で1か月以上上映されるって、結構すごいことだと思う。なぜならフライブルクの映画館は映画の入れ替わりがかなり早いから。ということは、お客さん入っているのかな~?と思いながら映画館に向かった。(うちのドイツ人を誘ったら丁寧にお断りされたので、今回は一人で)
シアターは小~中サイズ、10列×15席くらいの規模だった。周りを見渡すと、年齢層は、30代以上~60代あたりといった感じで、ドイツ人だけではなかった。(隣の人は英語を話していた。)
私が席に着いてから本編が始まる間にもかなりたくさんの人が滑り込んできて、上映開始時は7割ほど席が埋まっていた。
さて、やっと内容だ。
物語は、年老いた主人公が初期アルツハイマーと診断され、過去に引っかかっていることを解決するなら今しかないという医師の言葉から、若いころに恋人で理由もわからず離れ離れになってしまった日本人女性を追うところから始まる。
ストーリーとしては、終盤までは特に驚きもなく、ただただ昔の国際ラブのストーリーだった。ただ、最後に彼女が何も言わず彼のもとを去ってしまった理由が分かった時は悲しかった。
最後は切ないながらも、ハッピーエンドに近いものだったと言えると思う。
今回その理由の部分はネタバレしない方向で行くので、そのテーマについては触れないことにする。
・アイスランド語、英語、日本語、ドイツ語!
まず劇中に出てくる言語の種類が今回多い。主人公はアイスランド人で、アイスランド語をよく話す。ロンドンが舞台の時は英語、後から日本語もたくさん出てくる。
そして今回私がドイツで観ている事情もあって、出てくる言語は4か国語に。
物語の中でアイスランド語と日本語を話している時は、英語とドイツ語の字幕が出て、英語を話しているときは、ドイツ語の字幕が出た。
少し大変だったのは、セリフが多くてドイツ語の字幕を追うことがけっこう精一杯だったこと。
私は英語が得意でないので、アイスランド語と英語を話している時はドイツ語の字幕を追ったのだが、その切り替えがなかなか大変だった。まぁこれは日本で観る分には問題ないだろう。
・クスリと笑える箇所がたくさん
舞台はロンドンと日本。主人公が行く先々でのその国の文化や人々の性格、違いが特徴的に面白く描かれていて、観客は結構楽しそうに笑っていた。
日本人だとクスリとあまり声に出さず笑うことが多いけど、ドイツでは結構みんな『HAHAHA』と普通に笑うから、みんなが笑っているのがよくわかる。
・日本人がどう描かれているか
原作がアイスランド人による著作ということで、日本人が一体どう表されているのかが気になっていた。実際、海外から見たイメージの日本や日本人が一方的に描かれているのではなく、割とちゃんと日本や日本人が描かれていたように思う。
コーキさん演じる日本人女性ミコは、コミュニケーションの内容とか、テンポとかがかなりリアルで良くも悪くも日本人女性という感じだった。
(海外在住の同じ日本人女性としては、外国人から見る日本人女性の描かれ方はかなり気になった。)
本木雅弘さん演じるミコの父もまた、とても日本人らしかった。
『ニッポン』という居酒屋の描かれ方も、海外在住者である私には目に留まるものがあった。海外在住者、出張者、駐在者の心のオアシスである、街の日本料理屋。お店の中は日本語が飛び交い、そこはまるで日本のようだった。料理の名前や調味料の名前まで、若き頃のクリストファーに教える本木雅弘ら板前さん。そんな部分までもが丁寧に描かれていたのは印象的だった。
・若き頃のクリストファーが頑張って勉強して話す日本語がまじで萌え
ミコがきっかけに、日本語の勉強を続けるクリストファー。
『ありがとう』とかのシンプルな言葉だけど、彼の話す日本語の響きがめちゃくちゃ可愛くて萌え尽きた。長身イケメンとのギャップよ…。
うちのドイツ人日本語学習者【玄人】の『ありがとうございます。』、あまりに日本人のように言うその姿を思い出してちょっと笑いそうになった。
老いてからのクリストファーも、結構日本語を話していた。頑張って覚えたんだな~、すごいな。と素直に感動する。ちなみに彼の演技の『間』や表現がとにかく素敵だった。
・その他素敵ポイント
老いたクリストファーが日本でたまたま出会った日本人男性、中村雅俊演じるおじさんがカラオケで歌った尾崎紀世彦の『また逢う日まで』はぐっとくるものがあった。ドイツ人たちもみんな、お~。となっていた。
・最後に気になったこと
最後のエンドロールに、この映画の製作に携わったたくさんの日本人関係者の名前を拝見した。でもこの映画、アメリカとアイスランドの共同制作で日本は入っていないのはなぜ?
舞台の半分くらいは日本なのに??
でも、日本人は英語が話せないと有名な中で、これだけたくさん国際的な映画製作に関わる人々がいるのはすごいと思った。
以上、かなり海外在住者目線でしたが、映画『Touch』の感想でした。。
日本でも来年公開されるこのことだが、一体どのくらいの規模で公開されるのだろう。
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