ワーホリでドイツに来たけど何もなかった私が選んだ一歩

日記

ワーキングホリデーでドイツに来た7年前、手に職があるわけでもなく、かといって今さら大学で新しいことを学ぶ気にもなれず、「これからどうしよう」と毎日のように悩んでいた。言葉の壁、将来への不安、自分の中の迷い。そんなものが頭の中でぐるぐる回っていたあの時期は、今振り返っても、なかなかしんどかったと思う。

 

そんな中で出会った、同年代の外国人の友人たち。

みんな、それぞれの事情を抱えながら、ドイツという異国の地で「何か」を掴もうとしていた。

お互いに励まし合ったり、不安を語り合ったりしてきたけれど、その友人たちはその後、ひとり、またひとりとドイツを離れる決断をした。

 

私の転換点は、5年前だったと思う。

ちょうどその頃、私はBFD(連邦奉仕制度)を始めた。やると決めた時も、不安がなかったわけじゃない。「これでいいのかな?」「続けられるかな?」そんな気持ちはずっとついて回っていた。

でも、「とりあえずやってみよう」と思って流されてみたことが、結果として私のドイツでの人生のスタートとなる、重要なターニングポイントになった。

 

全く経験のないことを始めるって、勇気がいる。特に、外国という慣れない環境でのスタートはなおさらだ。

でも、あのとき踏み出した一歩がなかったら、今の自分はなかった。

友人たちは、あの時「私はやらない」という選択をした。

 

正直に言うと、あのとき私も「やらない」選択をしていたら、きっと今ごろはとっくにドイツを離れて帰国していたと思う。ドイツでの生活は、時に孤独で、時に自分の無力さに直面させられる。でも、だからこそ一歩踏み出すたびに、自分の中に少しずつ積み重なるものがある気がした。

 

その友人たちは私によくこう言ってくれた。

「カピバラはすごいよ。ドイツでAusbildungしてる(した)んだから。私には到底できない。」

でも、私からすれば、彼らの方がずっと優秀だと思っている。母国の有名大学を卒業していて、知識も、語学力も、何より人としての魅力もある。頭が悪いはずなんて、絶対にない。

 

ただ、どんなに優秀でも、自分のタイミングとか、心の準備とか、その時の環境ってあると思う。だから私は、誰かと比べて「勝った」とか「負けた」って思うことは全然なくて、それぞれの選択に意味があると思っている。

 

「流されてみる勇気」も、「立ち止まる決断」も、どちらも尊い。

私はたまたま、あの時少しだけ流れに乗ってみることができた。その経験が、今の私を作ってくれている。

 

いま思えば、あのときの私は何も持っていなかった。

でも、何もなかったからこそ、始められたのかもしれない。

小さな一歩が、今の私を作ってくれた。

そして、その一歩は決して特別なものじゃなくて、ただ「やってみようかな」と思った気持ちから生まれたものだった。

 

焦らなくていい。立ち止まってもいい。

でも、もしほんの少しでも「ちょっとやってみようかな」と思えたら、それはもう立派なスタートだと思う。

最初の一歩は、いつだって不安で、重たくて、ちょっと怖い。

だけど、やってみたら案外なんとかなるかもしれない。

ドイツでのBFDが、私にそう教えてくれた。

どんな選択にも意味があって、どんな道も、その人だけのもの。

だからきっと、あなたの一歩も、ちゃんとあなたを前に運んでくれるはず。

 

同じように「これからどうしよう」と悩んでいる誰かに、少しでも届いたらうれしいです。

 

 

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