2月下旬、フライブルクの市場で、見慣れないカボチャを見つけた。
最初は少し不気味な色だと思ったが、近づいて断面を見てみた。
すると、ドイツで定番のHokkaidoカボチャとは異なり、水っぽさが少なそうだ。これはもしかしたら、日本の栗かぼちゃ似ているかもしれない。
売り手のおじさんに尋ねると「Hokkaidoは皮ごと食べられるけど、これは皮をむかないといけないタイプ」とのこと。それ以外の詳しいことは分からないようだった。
すると、「試しに食べてみる?」と一片をくれたので、いただいてみた。
やはり水っぽさは控えめで、実がぎゅっと詰まっている。味は甘く、ほんのりナッツのような風味がある。日本のカボチャを生で食べたことがないので正確な比較はできないが、Hokkaidoカボチャと日本のカボチャの中間くらい、それもやや日本のカボチャ寄り、といった印象だった。
気になったので購入。一切れで2ユーロ。
このカボチャの名前は「ungerlischer blau(ハンガリー青カボチャ)」というらしい。
・カボチャ料理への挑戦
実は、私はカボチャが特に好きではない。
母の料理はどれも美味しく、好き嫌いなく育ったが、カボチャの煮物が食卓に並ぶと、少しテンションが下がったものだ。
しかし個人的に、一つだけカボチャが欠かせない料理がある。
それは「ほうとう」。
ほうとうには、絶対カボチャが欲しいのだ。あの煮込んでスープに溶けた実が、甘くて味噌の味を引き立てる。カボチャありのほうとうと、なしのほうとうでは、「ほうとう」と「野菜うどん味噌煮込み」くらいの違いがあると個人的に思っている。
でもここはやはり定番の煮物も作ってみようと思い、今回は「カボチャの煮物」と「ほうとう」の両方を作ることにした。
・ハンガリー青カボチャの特徴
見た目
楕円形で、実が詰まっているように見える。
種は大きく厚みがあり、白銀色。
種を取り除くと、ふわふわとした繊維が残る。Hokkaidoカボチャとは明らかに違って、水っぽさはない。
切る時の感触は、まさに栗カボチャ。とても硬くて水分が少ない感じだ。
断面
水っぽさは少ないが、皮から離れるにつれてややスカスカしているようにも見える。
・調理開始
三分の一はほうとう用に薄切り。
しかし、皮をむこうとすると非常に硬く、日本の栗カボチャのような質感だった。
なんとかそぐように皮を切り落とす。
皮は外側が青灰色だが、実に近い部分は日本の栗カボチャのような濃い深緑色だった。
三分の二は煮つけ用に大きめにカット。
この時点では、日本の栗カボチャとほぼ同じように見える。
煮つけ
酒、しょうゆ、みりん、砂糖で味付けし、じっくり煮る。
煮ている間に、ほうとう用のカボチャから立ち上る湯気を嗅いだ瞬間——
「あぁ、これだ…♡」
ホクホクとした甘い香りが立ち上り、日本のカボチャを母が煮ているときの記憶が蘇る。
この香りは、Hokkaidoを調理しているときには感じなかった。
最後まで煮崩れせず、しっかりと形を保ったまま。
・食べた感想
煮物: わたやそれに近い部分はとろとろでクリーミー、とろける食感。お世辞抜きで美味しい。日本の栗かぼちゃよりにかなり似ているが、より柔らかい。
皮に近い部分は長時間煮たにもかかわらずまだ少し硬く、瓜のような風味。皮は硬くて本当に食べれなかった。
ほうとう: 出汁はしっかり出たが、実は全くと言っていいほど煮崩れせず、出汁が出た後の実は瓜っぽさが際立つ。
結論として、ハンガリー青カボチャは出汁を出すタイプの料理ではなく、カボチャそのものにしっかりとした味付けを施す、煮物向き!
しっかりと美味しくいただきました。
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