以前仕事中に同僚から聞いてとても興味深かったのが、フライブルクに”子どもの知覚専門”の医者がいるという話。
そもそも日本語で「知覚」という言葉はあまり頻繁に使わないが、ドイツ語では”Wahrnehmung ” をよく使う。
一見普通に見えるけど、何かが特別不得意な子どもがいるとしよう。例えば、声に出して読むことだけが極端に苦手とか、普通に話せるが書かせるとスペルが抜けたり、間違えばかりする子どもとか。担任の先生がその子の性格などを総合的に見て、それが性格からくるものではなく、何かがおかしいと判断し、だけどどこが原因はわからないという時は、両親にその医者での診察を勧めるらしい。
Wahnehmungsarzt (知覚医)は、あらゆる検査やカウンセリングを施し、何が・どこが原因なのかを突き止める。
聞いた話によると、その知覚医がとある子どもを診察した。その子はすでに一般の病院で視力・聴力などを検査し、すべて正常と診断されていたのだが、やはり何かがおかしいということでそこを訪れた結果、その子が目は見えるが3Dで見ることができないということが判明した。
今の私のクラスの子どもに一人、知覚医を訪れることを担任の先生に勧められている子がいる。その子は集中できない。今周りが何をやっているのか理解できず、一人だけいつも違うことをしているか取り残されている。小学校の授業、学童保育ともにキャパオーバーという印象で、このクラスの一員としてやっていくことが難しそうだ。
もし彼が今間違えた場所にいるなら、早急に正しい居場所に移るべきだし、そのほうが彼にとって居心地が良いに違いない。
日本にそういったシステムや医者があるのか知らないが、そういったドイツの多様性はさすがだなと思う。
知覚医のウェブサイトはこちら:https://wahrnehmungsstoerungen-kohlberger.de/
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