【解説】Anerkennung= 母国での学歴をドイツの学歴に換算したもの

ドイツで手続

Ausbildungに応募したら、『Anerkennung提出してね。』と言われた!なにそれ?

ここで詳しく解説します。

Anerkennungって何?

Anerkennungは、日本の学歴をドイツの学歴に換算したもの

ドイツでは、すべてのAusbildungをするにあたって必要な学歴が決まっている。それを証明するために、ドイツで学校を卒業していない私たちは、日本の学歴をドイツの学歴に換算し、証明しないといけないのである。

例えば、申請すれば日本の高校の成績はRealschule相当、日本の大学卒業はAbiturやFachhochschulreife相当に換算されることが多い。

Anerkennungは英語版の成績書ではない!

よくある勘違いが、Anerkennung=英語の大学卒業証明書。

Anerkennungは、英語の大学卒業証明書もろもろをドイツの役所に提出して、返送されてきた手紙のことである。そこにはドイツの学歴に換算された自分の学歴が載っている。

学校が欲しがっているのは、この手紙のコピーのこと。

何をどこに申請するの?

提出書類や提出先の役所は州によって異なるので、『州の名前+Anerkennungsstelle』で探してみてください。

・提出できるのは日本の成績書の英語かドイツ語版。もし日本語版しかない場合、公認翻訳士で翻訳が必要で、自分で翻訳したものは認められない。(ちなみに、私が依頼した公認翻訳士での高校3年間分の翻訳料は180ユーロだった。)

・提出書類は個人情報の寄せ集め!なので書類を郵送する際はEinschreiben(郵便書留)で送るのが安心。送り状ナンバー付きで数€程、受け取りサインは郵便局のホームページで確認できる。

・必須書類ではないが、添え状(よろしく等のあいさつ、急いでいる旨、メールアドレスなどの連絡先)をつけると少しでも優先順位高めに対応してくれる可能性がある。

Anerkennungされるまでにかかる時間は、週によって様々

申し込みしてからAnerkennung を受け取るまで、2週間から1年くらいの差が州によってある。

私の住むバーデンビュルテンベルク州は遅いと有名な州で、コロナ前は10か月から1年が当たり前だった。コロナ禍では、外国人の人口が減ったせいか以前より早めに対応してくれるようになったが、書類送付後に納期が知らされるわけではないので、いつ来るかわからない。

もし大至急で欲しい場合は、不足書類のないように送付することが一番大事だが、応募先の企業や学校から催促の文面がもらえれて、Anerkennungstelleへ送る書類に添えれることができれば、優先で対応してもらうことができる。

自分の住む州以外でも、理由があればAnerkennungしてもらうことは可能だが、もらったAnerkennungをお住まいの市の市役所で確認してもらう必要があったりと二度手間だ。

Anerkennungsstelleからの連絡はメールか手紙で来る

なぜかここでは電話は遠慮してくださいと言われることがあり、向こうからの問い合わせは、メールか手紙で来る。だから添え状に自分のメールアドレスを書いておくと相手に優しく、メールの方が早く、手紙が届かなかったり見落としたりということがないので自分のためになったりする。

Anerkennungが到着!原本は大事に保管しよう

Anerkennungされた学歴が記された紙ーこれは今後、仕事や学校などに応募する際に必要になる。原本は手元にいつも置いて、応募書類として送るのは、それのBeglaubigte Kopieだ。

わからないことがある、誰かに聞きたい・相談したい!

自分の学歴や資格・職歴とドイツでの仕事や応募の関連についてわからないことがあるときは、下記のAnerkennungsfinder というウェブサイトから質問に答えていき、大体の答えを得ることができる。もし複雑な場合は、最後にBeratungsstelleの案内が出てきて、直接そこで問い合わせるようにと出てくる。Beratungsstelleがどこにあるかも出てくるので、知っていて損はないサイトだ。

Anerkennungsfinder https://www.anerkennung-in-deutschland.de/de/interest/finder/profession

何かの応募時に必ず必要

仕事やAusbildung、Studiumなどの応募の際、Anerkennungによる学歴証明は絶対に必要で、避けては通れない道だ。最低でも1か月はかかるこの手続き、いざどこかに応募しようという時に同時に始めるのは落ち着かない。気づいたとき、時間があるときに済ませておくのが一番いいと私は思う。

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