【BFD/No.4】 始める前に不安だったこと・疑問だったこと3つに対して、一年半経った今思うこと。それをふまえてこんな人にオススメしたい

Bundesfreiwilligendienst(BFD)

BFDを始める前、たくさんの不安や疑問があった。特に大きかった3つに対して、一年半経った今振り返ってみた。共通して思うことは、産むは案ずるより易し

自分のドイツ語のレベルは足りるのか?

 まず職場によって、必要とされるドイツ語のレベルはさまざま。C1以上が必須という職場(例:重度障がい者施設)もありながら、まったくドイツ語を話せなくても採用してくれる職場もある。応募要項にドイツ語レベルが明記されていない場合は、面接で人となりを考慮して向こうが判断することも多いようだ。興味がある職場を見つけたら、まずコンタクトをとってみることをおススメする。

採用されたら、大丈夫だと判断されたということで、職場が私たちのドイツ語レベルを考慮して仕事を与えてくれる。あとはもう日常の積み重ねと努力で伸びていくだけ。

 

経験談:私と同僚のロベルトの場合

 私は採用が決まった後、嬉しいのだが、本当に私のドイツ語力で仕事をちゃんとこなせるのだろうかと、とても不安だった。当時は聞・話・書・読で話すことが一番苦手で、ドイツ人相手になると緊張してもっと下手になった。

幸い、私の勤務先の小学校は移民の背景で両親が外国人の子どもが多く、環境的に片言のドイツ語に抵抗がないようで、まず私はすんなりと子どもたちから受け入れられた。

同僚とのやりとりは、最初は意思疎通がスムーズにいかない時もあった(女性は話すテンポが速く、聞き取りがたまに難しい)が、それも練習のうち。理解しきっていないうちは何度も質問・確認した。結局今振り返っても言葉が原因で問題になったことはなかったし、そのうちドイツ人とドイツ語で話すことに対する緊張もなくなり、毎日ドイツ語でコミュニケーションをとることで、確実に上達した。BFDの同僚に外国人の子がいたのも心強かった。

私の同僚であるメキシコ人のロベルトは、BFDを始めた当初ドイツ語がほぼ全く話せなかった。ロベルトはBFDの契約をして、仕事開始2週間前にメキシコからドイツにやってきたのだ。

最初のガイダンスの時に、ドイツ語を全然理解できない彼を見て少し心配したが、その後彼は驚くほど短期間で上達している。これは間違いなく、毎日仕事でドイツ語漬けだからだ。彼の場合問題は言葉だけで、女性ばかりの職場で男性の彼は重宝される。同僚たちは、ちゃんと考え、彼でもできる仕事を与え、彼も与えられた仕事を楽しんでこなしている。とはいえ最初は言葉に不自由しただろう。彼の勇気には拍手を送りたい。

そんな彼を見て、私も語学学校にダラダラ行き続けるのではなく、もっと早い時点で勇気を出してBFDに切り替えればよかったと思った。

モチベーションがいまいち足りない。途中でやめることは可能か?

 結論から言うと、もちろん可能

原則では、4週間前に紙面で申し出る必要があるが、それはもちろんルール上。緊急な理由がある場合などは2週間以内でも受理される。

ただ心配なのは、ビザ。BFDを理由にビザを取得している場合は、仕事を辞めたらビザの有効期限も切れてしまうかもしれないことは頭に入れておきたい。

モチベーションが…という人は、半年の契約から始めてみることをお勧めする。(もし気に入って延長したい場合、職場もOKなら延長はいくらでも可能)

一体どうして、すでにBFDをしている友人たちは楽しそうなのだろう?

 これは、本当にずっと不思議に思っていたことだ。語学学校の友人で、病院で看護師のアシスタントのBFDを始めた子たちは、毎日とても充実していると言っていて、契約を延長したりしていた。

フルタイムで働いて、給料300€でどうしてそんなに幸せそうなの?!?!と、当時は信じられない気持ちだった。でも自身もBFDを一年半経験した今、彼女らの気持ちがよくわかる。仕事を通じて達成感を味わい、自分の成長を感じることができるからだ。

外国人として外国で生きるということは、はじめはやっぱり言葉の面で大変だ。

言葉が十分にできないうちは、簡単な会話もいまいち理解できず、言いたいことも満足に言えず、すごく欲求不満になる。時に自分が何にもできない、無力な人間だと感じさせる。

その精神的な辛さを味わった後、BFDを通じて社会福祉分野の一つの職場の一職員となることで、仕事を通じて自分にもここドイツでできることがあるということを再確認し、職場で人間関係を築き社会に溶け込む

そうすることで、自信を取り戻し、自分の居場所を見つける。これは幸せに生きるという上で重要なことだ。外国人として外国で生きることの辛さがわかっている分、自分の成長はひしひしと感じられる。精神的な充実感を得られるということ。

あと、留学生って意外と孤独だ。ネイティブの友達を作ることはそう簡単ではない(特にドイツの場合)し、ネイティブの知り合いがいないとローカルな部分を知ることができない。希望を持ってドイツに来たのに、一人だけ浮いているような、残念な気持ちになる人は少なくない。

職場が一緒、一緒に仕事をするという共通点があると、ドイツ人とも仲良くなりやすい。職場で人間関係を築き、ローカルに溶け込むことができる

こんな人におススメ

  • ドイツに来て、言葉が原因でちょっと自信を無くしている人
  • まだドイツで働いた経験がなく、ドイツで自分の居場所がない/ドイツで生きる楽しさを感じられないと思っている人
  • 興味がある分野はあるけど、すぐにAusbildungやStudiumはできない。準備期間が欲しいという人
  • ドイツの社会福祉に興味がある分野はあるけど、本当に適性があるのか知りたい人
  • 生きたドイツ語を学びたい人

さいごに

外国人生活の始めの精神的辛さ(言葉が原因で欲求不満、仕事を見つけるのが難しい)は、年齢と日本での成功経験が上がるほどより辛くなる。

母国で大学を出て、バリバリ仕事していたのに、ドイツに来たら急に何もできない赤ちゃんみたいな気持ちになる…。これは想像以上に辛いことであり、同時に外国人としてよくあるパターンだ。

この気持ちを前向きにさせる一つのアイデアとして、BFDがあるということをこの記事で伝えたかった。

 

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