【BFD/No.3】BFD/FSJをするにあたって金銭面でのメリット・デメリット

Bundesfreiwilligendienst(BFD)

今回はBFD/FSJをするにあたっての金銭的メリットを12つ、デメリットを2つ挙げて補足していく。前回の記事”内面的メリット・デメリット”の続きとなる今回の記事も併せてぜひチェックしていただきたい。

※内面的なメリットについては、別記事で詳しく紹介しています。

https://kapibaramemo.de/index.php/2021/06/27/bfdvornachteil/

おこづかいがもらえる

BFD/FSJの勤務を通じて稼いだお金は、給料ではなく”Taschengeld/ おこづかい”と称され毎月指定口座に振り込まれる。金額は職場によるが、大体は250~300€の間だ。毎月決まった額の収入があることはとても有難く、予定も立てやすい。

個人的な経験談になるが、以前ベビーシッターのアルバイトをしていた時は、3つの家庭を掛け持ちして、うまくいっても月に200€くらいの収入だった。時給も安く、家庭の都合によって増減することが多く、残念ながら安定した収入にはならなかった

あとまたこれも私個人の経験による考えだが、BFDでのおこづかいとベビーシッターで稼げる金額は似たようなもの。だが、自分がかけた時間や苦労に対する見返りとしては、BFD/FSJの方がはるかに大きい。ベビーシッターよりも学べること・得るものの規模が全然違うからだ。

ドイツ一般の健康保険に加入でき、職場から支払われる

ワーホリでドイツに来た人は、自費でケアコンセプトやステップワンなどの保険に加入しているだろう。そうした保険で治療を受けた際は、私たちにも病院側にも面倒な手続きが多く、病院の受付で嫌がられたりすることもよくある。

だが、BFD/FSJを始めることによって、ドイツの一般人が加入しているAOKやIKKなどの保険に加入することができる。(もしBFD/FSJの契約を途中でやめたり、終了しても自費だが加入し続けることができる。)一般の保険に入れば、日本で病院に行く時のように保健証を提示してスムーズに、普通に診察を受けることができる。

金額は私の場合180€/月。それを職場が支払ってくれて、病院の受付で煙たがられず面倒な手続きなしで診察を受けることができるのでありがたい。しかもHausarzt(かかりつけ医)での診療は保険でまかなわれていることが多く、その場で支払わなくていいこともよくある。

一般保険に入ってから、病院に行くのが億劫ではなくなった。

年金が支払われ、後々返還も可能

BFDを通してドイツに支払った年金は、もしこの先ドイツを離れることになっても、返還してもらうことが可能。BFD終了後12か月後から、所定の手続きを経て返還される。

日本・ドイツ間には、年金に関する協定があり、一方で収めた税金を一方の国で支払ったものとしてくれるので、日本に帰るときなどは心配ない。

失業保険が支払われる

失業保険を払ったということは、失業保険金をもらえるということ。例えばBFDを一年間やった後、手続きをすればその後一年間、失業保険金として、当時の月収の半分が国から支給される。

失業者に優しいドイツだ。

事故・介護保険が支払われる

これだけの保険に自費で加入したら、月々いったいいくらくらいになるだろう。

ビザ申請できる(フルタイム契約の場合)

フルタイムで契約した際、ビザが必要な場合は契約期間きっかりのビザを申請することができる。

料金はと言うと、無料の場合と有料の場合がある。これは運で、申請時の窓口担当者による。雇用者が「カピバラはBFDをやっているので、ビザの申請金は免除願います。」と外国人局宛に書いてくれた書類も提出するのだが、この先は完全に担当者次第。

た書類を提出私の場合一番初めに契約した時に申請した際はかからなかった。だがその半年後BFDの契約を延長した際にビザを延長申請した際は、93€払わないといけなかった。この場合、雇用者はビザ申請料金を負担してくれない。外国人局の担当者はきまぐれで、人によって言うことが全く違う。きちんとした人に当たり、無料で取得できればラッキーだ。

住居などの支給(職場による)

職場によってはWGなどの住居や、住居補助金などを支給してくれる所もある。住居支給を希望する方は、BFDのStelle を探す際、条件の中に入れておこう。

公共交通機関での割引

ICEは残念ながら対象ではないものの、地元の交通機関(フライブルクならVAG)でトラムやバス、一般の電車などが割引の対象となる。BFDは学生やAzubi(Ausbildender)と同様の扱いになることが多く、VAGを例にすると、Monatskateが通常65€のところ、44€になる。

図書館、美術館やプールなどの公立機関での割引

主に割引が多いのが図書館での利用カード登録料割引、美術館やプールなどの入場料割引だ。その他にも細かくあり、このウェブサイトから、BFD身分証明書を提示するとどこが無料のコーヒーをサービスしてくれるか、どこの映画館が入場料割引してくれるかなどをチェックできる:https://www.fuer-freiwillige.de/

ドイツ語勉強支給金がある

これは一般的にそうなのか、雇用先によるのかまだ確認できていないのだが、私の雇用先では、ドイツ語の勉強のため(語学学校に通う、公式試験を受ける、教材を買う)などに対して上限150€までの支援金がもらえる。レシートを提出して、お金をもらう仕組みらしい。最近新しくできた制度のようなので、雇用先に確認してみることをおすすめする。

Anerkennungの料金が免除される

Anerkennungには、もちろん料金がかかる。州によって料金は違うようだが、特に私の住むBaden-Württenburg州は一件100€で、決して安くはない。申請する際に、BFDをしていることが証明できれば、この料金が免除される。

ちなみに私はAnerkennung申し込む時、StuttgartのRegierungspräsidumに送付する申込書類一式の中に、BFDの身分証明書のコピーをBeglaubigungしたものを同封して、100€免除してもらうことができた。

※Anerkennungについては、別記事※https://kapibaramemo.de/anerkennung/をご覧ください。

※Beglaubigungについては、別記事https://kapibaramen.wordpress.com/2021/04/18/beglaubigte-kopie/をご覧ください。

コロナなどの世界的危機時でも、勤務先都合で解雇されることがない=安全

もし私がどこかのカフェとかレストランなんかでアルバイトをしていたら、このコロナ禍で真っ先にクビになり、失業者になっていただろう。

社会福祉分野は絶対必要分野であり、破綻したりする心配がない。今回教育・福祉・医療分野で働くBFD/FSJの人たちは、優先でワクチン接種権を得た。もちろん感染するリスクが高い職場だからという理由もあるが、社会的に優先順位の高い分野であることには間違いない。

以下デメリット

労働・拘束時間に対して収入が少ない

これは、BFD/FSJにおける、最大にして唯一の欠点と言わざるを得ない。フルタイムで働くと、手取りはとても少ないうえに、プライベートの時間も限られる。

BDF/FSJは手取りが少ないことをあらかじめ知った上で、各々財布や貯金、アルバイトと相談してから始めることが重要だ。後から辛くならないように、自分のためにきちんと計画を立てよう。

BFDビザの場合、アルバイトや他の仕事との掛け持ち禁止

私はカード型ビザの他に注意書きの紙をもらい、そこに「仕事の掛け持ちは禁止」と明記されている。実際、フルタイムで働くとほかに仕事を掛け持つ余裕はほとんどないのが現状だが、どうしてもとか、やる気がある人は空き時間に知人の手伝いやベビーシーッターなどでおこづかいを稼いでいるようだ。セミナーで知り合った友人たちは皆そうしていると言っていた。

最後に

今回挙げたメリット・デメリットは、人によって享受できるものやできないものがあるだろう。(例えば結婚してすでにビザを持っている人はBFDビザはいらない)

私が一番ありがたかったのはビザ支給、月々固定額のおこづかいと健康保険に入れたことだ。私たちの手取りは少ないものの、保険などの費用を職場は支払っているので、ある程度の金額は動いていることになる。

フルタイムで働いて300€の手取りという事実を聞くとギョッとしてしまうが、背後に色々とメリットがあることを知れば、見方も変わるかもしれない。

 

#Bundesfreiwilligendienst #FreiwilligensozialesJahr #メリット #給料 #デメリット #ドイツで働く #ドイツ #仕事

 

コメント