夏の夜の屋外映画にて「Kiss Me Kosher」を観る

日記

チン!と携帯が鳴って、友人のカタリーナからお誘いが来た。今週の月曜日から、旧市街のとある建物の中庭で屋外映画をやっているらしい。

毎日一本だけ、夜の22時から始まるその映画館のラインナップは、大手映画館で上映しているような類のものではなく、全世界からの昨今の隠れた名作だ。日替わりで毎日違う映画が上映される。

チケットが取れたのが、17日木曜日の「Kiss Me Kosher」だった。

待ち合わせをした夜の21時過ぎは、辺りはまだ夕暮れ時で明るい。日は沈みかけ、暑さは和らいで、涼しい風が吹き始めていた。

HPに「要陰性証明書」と書いてあったので、私たちは薬局でテストして陰性証明を持参して行ったのだが、入口の係員の人に見せると不要と言われた。(なにー!)

入口にバーカウンターのようなコーナーがあり、そこでビールやジュース、ポップコーンを買うことができる。私たちはビールを片手に席に着いた。

22時になると、関係者が前に出て短く挨拶をし、上映開始。前から3列目の真ん中あたりの席を予約してみたのだが、ちょっとスクリーンと近すぎて首が痛くなったので、おススメは5列目以降だ。

スクリーンに映し出される映画の画質も、音質もとても良く、本当に映画館で映画を観ているようだった。風が通り抜けるのが、時々鳥が侵入したりするのが屋外映画館。

映画はというと、ドイツ語吹替の字幕なしだった。Kiss Me Kosherのあらすじは、イスラエル人のシーラとドイツ人のマリアが(同性)婚約して、イスラエルにてシーラの家族にマリアを紹介するのだが、過去の歴史の都合でマリアはとても肩身の狭い思いをする。生い立ちや彼女の家系についてシーアの家族から聞かれるも、自分自身のことをよく知らないマリア。おばあちゃんから門前払いされる彼女は途方に暮れている中、シーアの過去の女性歴もちょいちょい発覚。そこから亀裂が生じて…?

出典:https://jfec.com/kiss-me-kosher/

予告編(英語):https://www.youtube.com/watch?v=gGGjxGYAWo8

テーマは少し重いが、冗談がそこらじゅうに散りばめられていて、コメディの要素満載だ。毎分ごとに笑いが起こった。マリアの両親がシュトゥットガルトからイスラエルにやってきたのだが、彼らがドイツ人らしさ満点で、そこを風刺するような冗談もたくさんあり、それにドイツ人観客も大いに笑っていた。

印象に残ったのが、イスラエルの美しい風景。正直イスラエルと言っても、私の中では全然イメージの湧かない未知の国だったのだが、(最近ワクチンの件で初めて印象に残るようなニュースを聞いたが)街の風景はまるで実写版アラジンの街中のような、モスクと石造りの家が所せましと並ぶ、まさに異世界な風景。

海岸風景もまた素敵だった。生物学者のマリアが「ここ(イスラエル)にはすべてがある。」と言っていたように、イスラエルには本当に豊かな自然がある。

この映画を観て、イスラエルに行ってみたくなったのは言うまでもない。

 

イスラエルがロケーションの映画なんて、観る機会も知ることもなかった。こういう出会いが、自分の幅を広げていく。映画の内容もとても良かった。この夏は、新たな出会いを求めて何度か足を運びたい。

 

Sommernachts-Kinoは9月11日まで、フライブルクで絶賛開催中だ。

公式HP: http://sommernachts-kino.de/

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