【ドイツで保育士】Kita-Qualitätgesetz -ドイツが託児所を取り巻く環境を支援するための政策

日本と同様、ドイツでも幼児教育を取り巻く環境はまだまだ改善の余地がたくさんある。

2019年、Gute-Kita-Gesetzにより連邦政府は2022年まで託児所の質をさらに向上させ、保護者の費用を軽減するための措置として、合計55億ユーロを連邦州に支出した。

それに続くKita-Qualitätgesetzを2022年12月2日、連邦評議会は可決。この法律は、Gute-Kita-Gesetzの2023-2024年末まで延長したもので、同じく託児所の質改善に重点を置いている。Gute-Kita-Gesetzをモニタリングし、評価の結果に基づいてさらに開発された内容になっている。連邦政府は、2年間で合計40億ユーロを提供する。

Gute-kita-Gesetz: フランツィスカ・ギファイ氏による政策
Kita-Qualitätgesetz: リサ・パウス氏による言葉
Kita-Qualitätgesetzの内容
1. 例：バーデン・ビュルテンベルク→保育士の支援、PIA-Ausbildungの促進
改善点
おわりに
1. 関連

Gute-kita-Gesetz: フランツィスカ・ギファイ氏による政策

現・ベルリン市長であるフランツィスカ・ギファイ氏が当時家族問題大臣だった時に、幼稚園・保育士を取り巻く質・環境の改善のために打ち立てた政策「Gute-Kita-Gesetz」

ギファイ氏はドイツ人女性にしてはめずらしくゆっくりと優しい口調で話すタイプで、やり手政治家の一面とのギャップがある人だ。

Kita-Qualitätgesetz: リサ・パウス氏による言葉

「ドイツのすべての子供たちは、どこに住んでいても、親が金持ちか貧乏かに関係なく、幼児教育の機会を与えられるべきです。したがって、私たちは今後2年間だけでも、保育と幼児教育の質に40億ユーロを投資します」連邦内閣がKita-Qualitätgesetzをを可決した後、リサ・パウス家族問題担当大臣はこう述べた。

Kita-Qualitätgesetzの内容

ドイツの全16連邦州はそれぞれが置かれている状況や問題と照らし合わせて、支援金の使い方、支援の重点をどこに置くかを決めることが出来る。Kita-Qualitätgesetzでは、連邦州が資金の50%以上を7つの優先分野に投資することを規定している。

優先行動分野「こんな・・・がある幼稚園はイイね！」

「ニーズベースのオファー」地域や家族の形に合ったオファーを提供（営業時間など）
「保育士と子どもたちにもっと一緒に過ごす時間」子どもの数に対し十分な保育士を
「質のいい保育士の獲得と維持」保育士の質が子どもの質に大きく影響→保育士の質重要
「保育運営者への支援」運営者が研修を受けたり、運営面をさらに改善できるよう支援
「健やかに育つ」幼児期に重要な運動、栄養、健康を
「言語教育」発達に重要な言語教育に力を入れるべし
「強い育児」保育士が元気に仕事できるよう保育士の資格取得や労働環境の改善

例：バーデン・ビュルテンベルク→保育士の支援、PIA-Ausbildungの促進

バーデン・ビュルテンベルクでは、指標3.「しっかりとした資格のある保育士」を一番の重点とし、教育者の創出に力を入れることに。（Ausbildungへの投資、特に即戦力となるPIA-Ausbildungへの投資）その他、ドイツ語を2番目の言語として使う子どもへの支援、ｋ「Orientierungsplan」の随時改善など

改善点

Gute-Kita-Gesetzでは、一部から「お金がどう使われたか、使い道が明確ではない」、「料金の撤廃は必ずしも良い幼稚園には繋がらない」などといった批判があった。

Kita-Qualitätgesetzでは、連邦州が資金の50%以上を7つの優先分野に投資することを規定しているのと、連邦州は、連邦政府との個々の契約で特定の措置を定義する。これにより、各国の開発ニーズが考慮され、必要な場所に財政支援が行き渡るように。すべての契約が締結された後、資金は売上税ポイントとして国に流れる。（資金の行き先が明確になる）

また、Kita-Qualitätgesetzによって提供される資金を、託児所料金の撤廃のために使用してはいけないことになっている。