【Versteigerung】ドイツで、中古自転車をオークションで落札してきた!

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ドイツでは、街中に置きっぱなしにされている自転車やEスクーターなどを自治体が開錠して、一定の期間誰も引き取りに来なかった物を、オークション販売するというシステムがある。

そのオークションが人気なのは、私が住むフライブルクが自転車の街であること(自転車がないとかなり不便)と、ドイツでは新品の自転車を買おうとするとかなり高価だという理由が挙げられる。

安くても、最低700€はくだらない。日本みたいに、新品のママチャリを1万円台で買うことは不可能なのだ。(20年以上前の話だけど…)

今回、このオークションで中古の自転車がかなり格安で買えると聞いたので、試しに行ってきた!

 

某月某日正午、フライブルクのはずれの方にある、公民館的な施設に到着。

勝手に屋外で行われるものと思っていたのでまず屋内に入ることに驚いた。

 

小さめの部屋の中には、全部で合計75台の自転車と、5台の電動スクーターがぎゅうぎゅうに並んでいた。電動スクーターが出品されるのは、今回が初めてらしい。

 

その辺の駐輪場のように、びっしりと横並びに置いてある自転車は、なかなか隅から隅までチェックしづらい。ブレーキが動くかとか、どこか錆びてないか、確認するのにかなり前のめりになって近寄らないといけなかったので、後輪に服が擦れ、汚れてしまった。

ちなみに試乗したり、自転車をここから動かすことはできない。

 

 

全ての自転車には番号シールが貼ってあり、後のオークションのために、気になった自転車の番号をメモしておく。

最初これを値札シールと勘違いして、『結構高いやん‥』と思ってしまった。(よく読めや)

 

 

部屋にこんなリストが置いてあったので見てみると、全ての自転車について最低限の情報が載っていた。例えば女性用・男性用だとか、自転車のタイプ、メーカーなど。

私は3つの自転車に目星をつけた。

 

 

欲しい物がある人はこのオークション会場に座って開始を待つ。

月曜日のお昼過ぎなのに、席はいっぱいで立ち見の人もたくさんいた。年齢層は20代前半の若者から高齢者まで、かなり幅広い。ここにいる半数以上は、おそらく転売目的の業者さんだろう。

 

時間丁度に司会者が壇上に上がり、一連の流れとオークションルールが説明された。

  • 試乗出来ない代わりに、商品は壇上で軽く紹介される
  • リザーブ価格(最低売却価格)が提示される
  • 5€ごとに入札可能
  • 落札後は速やかに支払い、商品を持ち帰る
  • 取り置きや後払いは不可
  • もちろん保障などはない

支払い方法は現金とECカード両方可だった。

支払い時には、所有者登録のために、身分証明書を提示する必要があるとのこと。

 

まず手始めに、段ボールに入った小物系から始まった。

上着やbluetoothスピーカー、サングラスや鞄などがかなり速いスピードで段ボール箱から出して見せられ、全部まとめて一箱30€からのスタート。

中には新品のような女性もののシックなコート、マーシャルのbluetoothスピーカー、JBLの持ち運び用bluetoothスピーカーなどもあって、特にマーシャルが出てきた時は会場から『おお~!!』という声があがった。ただ、ちゃんと機能するかとか、細かいところまでは何も言っていなかったので、その辺は運ということになる。

全部でそのような衣類・家電系の箱は3つあり、それぞれ150€~300€で落札されていた。

 

続いて小さな手のひらサイズの箱が出てきたと思えば、時計やアクセサリー類がざっくばらんに入っていた。後ろから人が前に出て来て、商品を手に取って品定めしていた。

正直、遠目からはあまり価値のありそうなものは確認できなかったし、司会者の人も『あまり高価なものはない』と言っていたのだけど…

数箱あったうち、ひとつが700€という高値で落札された!一体何が入っていたのだろう。

中身の出どころは確か、警察に落とし物として届き、一定期間保管され、引き取られなかったものと言っていたような気がする。

 

 

続いて、やっと電動スクーターが出てきた。番号1番から壇上で軽く紹介される。充電器がないとか、動くか動かないか、そんなざっくりとした紹介だけだった。細かい部分までは知ることは出来ないし、出品者側も把握していないのだろう。

ほとんどが25€からのスタートで、運よく25€で落札した人もいれば、70€くらいの人もいた。

 

オークションが始まって一時間弱、ようやく自転車の番が来たぞ。

自転車は壇上に上げられると、後輪がスムーズに動くかどうか、あと前輪にサスペンションがあるタイプは、それが動くかどうか、体重をかけ押してチェックされた。

スタートはどれも、25€~40€の間からだった。25€で落札した人もいれば、マウンテンバイクっぽいのを700€で落札した人もいた。

私は第一希望だったこの赤い自転車を、40€くらいで買えたらいいなと期待していたのだが、他の人に競り負けた。(70€で落札されていた)

ちなみに入札するには、手を挙げるだけでいい。手を挙げれば5€上がり、跳ね上げたければ呼べばいい。

 

でもだんだんと、40€はさすがに現実的価格ではなかったかもしれないと思い始めてきた。

第二希望だったプジョーの白い自転車はサドルや他の部品が欠けていたが、一番前に座っていた、やたら自転車に詳しいおじいちゃんによって90€くらいで落札された。

見た感じ、落札価格はピンキリではあるものの、相場は70~150€くらいだ。

 

そして、最後の目星である第三希望の自転車の番がやって来た!25€から始まり、他に2人の人が参加してきて、最後の方は一人の若い女の人と競り合い、私はとうとう95€で落札した。

落札後速やかにレジへ向かい、身分証明書を提示して、ECカードで支払い完了。

自転車は控室のような部屋で私を待っていた。

 

改めてチェックしてみると、まだ結構新しそうなボディだったし、何ならサドルは新品に近かった。

タイヤは【Schwalbe Plus】という、なかなか良いメーカーのもので、シマノ社のDynamoも付いている。

前輪ブレーキのききが若干弱いが、他に直さなきゃいけないところはなさそう。思ったより状態が良いかも!と、ルンルン気分で外に運び出して、そこから乗って帰ろうと漕ぎだした時…

タイヤにまったく空気が入っていないことに気が付いた。

ほとんどの自転車は、見るからに空気が抜けていたのに対し、この自転車はそんな風に見えなかったのだ。でも考えてみれば当たり前。2~5年保管されていた自転車で、その間特に手入れされたわけではないのだから、タイヤに空気が入っているわけがない。

 

もしこれから行く方がいれば、空気入れを持参していくことを強くお勧めする。

 

結局、トラムに自転車と一緒に乗り込むという強硬手段に出るしかなかった私。

だが1本目のトラムから2本目のトラムに乗り換えした時に運転手から乗車拒否され(笑)、そこからは家まで押して帰った。もしかしたらトラムには自転車を持ち込んではいけないのかもしれない。

 

今振り返ると、結構よさげな自転車を格安でゲットできたし、オークション現場で人々を観察するのもとても楽しかった。それに、自転車探しにかかる時間と手間が省けたのも、私としてはとてもメリットに感じた。

でもまあ、デメリットもある。試乗できずに買うことになったり、運任せだったり知識任せだったりする面はある。だから、Ebayとかで中古自転車を買う方が時間や手間はかかるけど、きちんと納得するまで確認できるかもしれない。

 

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