【BFD/No.2】BFD/FSJをするにあたって内面的なメリット・デメリット

Bundesfreiwilligendienst(BFD)

フルタイムで働いて、ちょびっとのお小遣いがもらえるだけ…。

BFDを始める際、自分自身を納得させるには、BFDの仕事をすることにどれだけのメリットがあるか、その後に何をもたらすかなどを知っておく必要があるだろう。ここではまず、金銭面以外のメリットを挙げ、それについて補足していく。

 

ドイツ語が飛躍的に上達する

職場で過ごす時間=生きたドイツ語を使う時間。インプット・アウトプットの繰り返しで伸びるスピードはすさまじい一日8時間、毎日ドイツ語でコミュニケーションすれば、誰でも上達する。最初は脳がくたくたに疲れるが、上達するうちに疲れにくくなり、気付いたころにはかなりドイツ語脳が出来上がっている。

視野・人脈が広がる

異国の社会福祉分野での仕事の日々は、新しい経験の繰り返し。それによって、視野が大きく広がり、今まで見えてなかったものが見えてくる。またいろんな人が同じ職場で働いているので、その人たちと知り合えば、もっとたくさんのことを知るきっかけにもなる。私はBFDを始めるまではErzieher/inについて詳しくやドイツの教育システムがよく理解できていなかったが、働くことで小学校の仕組みはもちろん、職場にErzieher/inやSozialarbeiter、Praktikant、Azubi、大学生のアルバイト、Duales Studiumの人などがいるので、身近な人たちを例に教育分野の仕事をするためのプロセスについての理解も深めることができた。聞きたいことがあれば、それをやってきた人、今まさにやっている人が身近にいるので、すぐに質問できる

自分の適性を試すチャンス

理想と現実の差を埋めるためにも、AusbildungやStudiumを始める前に、仕事を経験しておくのは賢明な選択。その仕事で自分は楽しめるか、適性はあるか、職場の雰囲気を知るためのお試し期間として利用できる。

セミナーで知り合ったひとりのドイツ人BFDは教育分野でのBFDを幼稚園・小学校・Gymnasiumと経験してみて、自分が年齢が近い子たちとのほうが楽しいと分かったと話していた。

あと、BFDは色々とチャレンジできるのがとてもいいと思う。というのは、例えば工作のアイデアを思いついて、それをクラスの子どもたちとやってみる。すると、成功したり失敗したり、プロセスを含めてどういう結果をもたらすか見ることができる。トライ&エラーで学ぶことができるのだ。主力の先生がついているから、心強い後ろ盾がいるのも安心してトライできる環境といえる。

ドイツの社会福祉分野について知識を深める

仕事を通じて、ドイツの社会福祉分野がどういった仕組みか、どんな人がいるのか、ローカルな視点で知識を深めることができる。ドイツの制度は日本と大きく違う部分も多々ある。例えば小学校。ドイツでは4年生までが小学生で、その後は成績によってHauptschule, Realschule, Gymnasiumと行く学校が異なる。百聞は一見に如かずと言うが、ネットでいろんな情報を集めるより、一度現場を経験するのが理解しやすいと私は思う。

ローカルへ溶け込む機会

個人の感じ方によるが、外国人留学生やワーホリなどは結構孤独だ。なぜなら、せっかく知り合った外国人の友人はすぐにどこかに引っ越したりしてしまうし、安定した人とのつながりがあまりなく、社会との接点を感じる機会も少ないから。毎日通う職場に、仕事仲間や仕事つながりのいつも顔を合わせる人たちがいるということが、家以外の一つの大事な居場所となり、そこが社会への入り口となる。あと、私たち外国人は意外とドイツ人と親しい接点がなかったりする。なので、一般の人がどんな生活をしているのか意外と知らないことが多い。それは少し寂しくないだろうか?ドイツ人は結構シャイで他人に興味がない人が多いので、仕事を通じてその共通点から親しくなるケースは多い。

その後ドイツで仕事やAusbildung等を探す時に大きな経験値となる。

BFDの仕事は、履歴書に自信を持って書けること。次にどんな仕事やAusbildung,Studiumをするにしても、社会的に見てかなり大きなプラスになる。

それに、Erzieher/inなどのAusbildungをするには、Vorpraktikumといい、BFDやPraktikumで一定の期間働くことが応募条件とされている。Praktikumは無給、BFDは有給だ。

BFDの職場ですでにいい関係を築いておくと、その後にAusbildungやStudium で実習が必要な際、その職場が雇ってくれる確率がかなり高い。実際私はこの秋からErziehrinのPIA(Praxsis Integrierte Ausbildung)をするのに働く職場が必要で、今の職場の小学校に聞いてみたところ、あっさりと採用してもらえた。ちなみにPIAのArbeitstelleは一年に一人しか採用しないという学校が多いらしく、AusbildungschuleからOkもらえても、Arbeitstelle探しに苦労する人が多いとか。採用する側もされる側も、すでにお互い知っている仲の方が強いに決まっている。まさにWin-winだ。

その後同じ方向に進む場合は、応募の際かなり大きな優遇点となる

上記に関係した内容になるが、もし自分が経験したBFDの職種と同じ方向に進むのであれば、高確率・短期間・スムーズに事が運ぶ。(よほどのことがない限り)志望動機を書く時に、経験があるのとないのでは内容が全然違ってくる。経験をもって書く志望動機は強いし、書きやすいし、採用されやすい

あとこれは個人の感想だが、語学学校に通っている時よりも、BFDを始めて以降<社会が自分を見る目>が変わったと感じる。例えばビザを申請するときに、そでまでは窓口の担当者に色々と小言を言われたり不快な思いをすることが多々あったが、BFDをしてからというもの、ビザ申請の際にそういったことはない。誰かに「何をしているの?」と聞かれ、「語学学校に通っている」と言うより、「BFDをしている」と答える方が自分的にも居心地がいい。

もしその後日本に帰る場合でも、もし引き続き社会福祉分野で働きたいなら大きな経験値となる

日本に帰っても、同じ分野で働きたいのであれば、ドイツでの仕事経験はとても大きな経験値となるに違いない。ドイツには豊かで優れた社会福祉制度があり、世界的にも優れた人材を輩出する国であり、ドイツの社会福祉分野がどんなものか、興味のある人は多いだろう。日本とドイツの制度の比較もできるし、いいとこ取りもできる。これもまた、履歴書に自信を持って書ける一つの経験となる。

◎デメリットと補足

慣れるまでは、語学的に大変

誰でも新しいことを始めれば、慣れるまでは大変だ。ここにはドイツ語も加わるので、最初は脳がかなり疲れる。でも、疲れた分だけ伸びている

職種によっては、週末に働くところもある。

セミナーで知り合った他の職種のBFD達は、シフトによって週末働くこともあるそうだ。もちろん労働時間は決まっているから、他の曜日に休んでいるのだけど。希望の休日などは、求人ですかさずチェックすべし。

まとめ

いかがだったろうか。記事を執筆するにあたって内面的なメリットを挙げてみたが、こうしてみるとデメリットよりも圧倒的にメリットが多いことに気づかされた。

かくいう私は、こんなメリットを知って始めたわけではない。用意周到とは程離れた、ドイツでの時間稼ぎのために始めたというのが本音の本音だ。働きたい気持ちがあって、なんとなく社会福祉分野に興味があるなら、色々考えず、とりあえずやってみることをお勧めする。

 

#BFD #Bundesfreiwilligendienst #FSJ #Freiwilligessozialesjahr #とは #メリット #デメリット #ドイツ #社会福祉

 

コメント