2021年、私がBFD現役の頃に届いた、BFDマガジン「ECHT」10周年記念号。
中を覗いてみると、色んな職場で活躍しているBFD達がインタビューとともに載っていた。
BFDの活躍の場は社会福祉分野だけだと思っていたのが、意外な職場もあったり、様々な分野で活躍するBFD達はそれぞれ違ったAusbildungを希望していいて、BFDの仕事内容とその後の進路の関連性なども垣間見ることが出来た。
とても興味深かったので、通訳して記事に起こしたいと思う。
キャンプヒル・セレン（障がい者施設）
一緒に暮らし、一緒に働くーミュンスター
キャンプヒル・セレンはミュンスター郊外にある、知的障害者専用の完全入居施設。そのコミュニティは、様々な障害を持つ6人から10人の入居者が7つの個別の家具付き住宅に一緒に住んでいる。
フェスティバル、クリエイティブワークショップ、遠足などの文化イベントなども開催していて、入居者は景観維持活動、パン作り、テキスタイルワークショップなど、作業をしながら生活している。
ここでのBFDの仕事は…（一例）
- 入居者の日常生活のサポート
- 入居者のキッチン、ガーデニング、クリエイティブワークショップ、ベーカリーなどをサポート
ここでの雰囲気はとてもアットホームで、お互いを家族のように扱っているので、一緒に映画を観たり、プライベートな事について話すこともある。
ここで働いているBFD達は、この職場をとても気に入っていて、BFD契約後はHeilerziehungspfleger（治療教育看護師）のAusbildungを希望している。
こんなあなたに向いているかも
- 障がい者のサポートに興味がある
- 手作業が好き
- 広くて浅いより、狭くて深い関係性の方が好き
- 看護師の仕事に興味がある
キャンプヒル・セレンのウェブサイト：http://www.camphill-steinfurt.de/
LWL – 考古学ウェストファーレン・リッペ
私たちの歴史の痕跡ーミュンスター
ウェストファーレン州リッペのモニュメントの考古学的保存に関するすべての技術的懸念を処理する場所。
彼らの任務は人間の遺骨や過去の活動を保護、調査、文書化、保管することだ。
こんなあなたに向いているかも
- 考古学に興味がある
- 個人で没頭する作業が好き
- 管理する仕事が好き
ハリグ・ランゲネス
Hallig は、ドイツとデンマークの国境付近にある小さな島。人口たった100人の孤島には、スーパーマーケットも病院もない。
ここでBFDをする彼女らの仕事は…
- 野鳥の数を数える
- ゼミナーハウスの世話
- 観光客、修学旅行の学生相手のガイド
彼女らはゼミナーハウスの隣にある家で共同生活をしている。
こんなあなたに向いているかも
- 静かな場所で過ごしたい
- 生活が多少不便でも構わない
DLRG ハルテルン アム ゼー
楽園で命を救うードルトムント
Deutsche Lebens- Rettings- Gesellschaft （ドイツライフセービング協会）
湖の近くにあるこの救命協会でも、BFDが活躍している。ここでの彼らの仕事は、主にライフセービングのアシスタントで、仕事内容は季節によってがらっと変わる。
ここでBFDをする彼女らの仕事は…
- 夏は湖で溺れる人がいないか監視が主な仕事、ボート競技などが行われる場合のサポート
- 夏前後は主に救命車の整備（道具がきちんと入っているかのチェック）
- 救命救急の訓練、勉強
- ライフセービング水泳の資格取得
- 水際の危険やその対処の仕方を勉強
- 応急処置について指導を受ける
- 救急隊員研修
- 子どもたちへの指導など
こんなあなたに向いているかも
- 人の命を救う仕事に興味がある
- 泳ぐのが得意
- 勉強意欲がある
今回は、Deutsche Lebens- Rettings- Gesellschaft （ドイツライフセービング協会）の湖のほとりの場所をご紹介した。この教会はドイツ中にあるので、色んな街によって色んな仕事内容があるのだと思う。気になる街のDLRGがどんな仕事をしているのか、調べてみてもいいかもしれない。
学校農場レックリングハウゼン
最高の社会でードルトムント
学校農場とは、小学校などの児童が訪れて動物や農場について見分を深める農場。
ここには鶏、羊、アヒル、豚、ロバ、馬、ウサギ、ヤギ、猫や犬などが世話されている。
ここで働く彼らの仕事は、
- 動物の毎日の世話
- 子供や若者と一緒に働く
- 児童や幼稚園児のガイド、世話
- Handwerkliche Tätigkeiten
- 応用自然保護活動
そしてその中の1人は、BFDの契約終了後には作業療法士のAusbildungをして、子どもに対する動物を用いたセラピーを提供できるようになりたいと考えている。
こんなあなたに向いているかも
- 動物の世話が好き
- 子どもが好き
- 農場暮らしに興味がある
プロイセン宮殿と庭園財団
開けた空の下ーベルリン
500人以上の従業員を擁するプロイセン宮殿と庭園財団ベルリン―ブランデンブルクは、ベルリンとブランデンブルクの芸術、文化、建築の歴史の管理に携わっている。（数にしておおよそ30の城博物館、800ヘクタールの庭園を含む、5世紀にわたる約300の建造物）
ここで働くBFDの仕事は、庭園の管理だ。
- 冬には雪道を片付け、枝を切り、古くて枯れた木を伐採する。
- 春が来ると温室での作業
- 夏になると花壇に花を植え、季節に合わせて庭園を準備する。
- 他にも、小道の世話をしたり、雑草を抜いたり、公園の池を掃除したり…
このレポートを受けてくれた3人のBFDのうち2人は、ガーデニングがこれほど変化にとんだ仕事だとは思わなかったと語り、その後はこの財団でのAusbildungを希望している。
こんなあなたに向いているかも
- ガーデニングが好き、興味がある
- 朝早い仕事が苦にならない
- 外での仕事が好き
ストリートワーク ゲーラ
様々なエンゲージメントーライプツィヒ
ストリートワーク ゲーラは30年の間、様々な理由で問題のある状況に陥っている地域の子どもや若者への支援に取り組んでいる。公園、スポーツ広場、路上でのアウトリーチソーシャルサービスに加えて、学校の放課後ケア施設、ユースクラブ、木や陶芸工房、裁縫工房など、活動範囲は拡大し続けている。
ここでのBFDの仕事の一例
- 子どもや若者と対話し、抑制を打破し、アドバイスやサポートを提供する
- 放課後ケア施設での宿題の指導
こんなあなたに向いているかも
- 子どもや青少年との仕事に興味がある
- 会話が好き
- 困っている青少年の助けになりたい
- 何かスキルを持っていて、生かせる場所を探している
ASB 願いの車
最後の願いを可能にするーエッセン
終末期の方の、「人生で最後に叶えたい願い」に同行する仕事。願いの内容は様々だが、専門的サポートと物流サービスありきで叶えられることは少なくない。個人の尊厳と生活の質を自己決定の大切なポイントとしてサポートに回る彼らは、この「願いの車」で移動する。
ここで働く彼らの仕事の一例は‥
- 遊園地で最後にジェットコースターを乗りたいと言う願いに同行する
- ビーチに旅行したいという願いに同行
レポートを受けてくれた一人はその後、ソーシャルワーカーの大学へ進路を決めた。
こんなあなたに向いているかも
- 人に感謝されることに仕事のやりがいを感じる
- ソーシャルワーカーの仕事に興味がある
あとがき
いかがだっただろうか？
今回このECHTを翻訳しながら考えたのは、様々な活躍の場があり、様々な背景を持つ人々が自分のスキルを使って輝く場所がBFDだ。
そこで出会った人や仕事に影響され、いろんな刺激を受け、自分の知らなかった一面と出会い、社会の一員として仕事を任され、自信をつける。そこに行ってどんなことが起こるかは誰もわからない。BFDはただの入り口に過ぎないのだ。
各職場におけるドイツ語のレベルは記載がなく、仕事内容にもよると思うが、コミュニケーションできる程度なら雇ってもらえる可能性はあると思う。（各自問い合わせ推奨）
※写真の著作権はすべて、Bundesamt für Familie und zibilgesellschaftliche Aufgaben Kölnに帰属します。
マガジン「ECHT」
以前はBFD宛に冊子が届くシステムだったが、2023年度発行分からオンラインにて、誰でもデジタル版を読むことが出来るように。
最新情報をゲットできるので、興味がある方はぜひのぞいてみることをおススメする。
ウェブサイト：https://www.bundesfreiwilligendienst.de/service/magazin-echt
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