【日記】フライブルクという小さな街で暮らす

日記

先日、精神的にツライ‥と日記に書いたのだけど、原因はAusbildungだけじゃない。

テスト勉強とFerienbetreuung(仕事)のせいで学校休暇もろくに休めず、旅行も行けない生活を送っていた。なので、精神のバランスが取れず、そのせいでフライブルクの欠点に嫌気がさしていたのだった。

フライブルクでの生活はとても快適だ。美しい街並み、学際的かつ温和な人々、比較的温暖な気候…仕事もある。私はフライブルクに自分の居場所があるし、ここにいて幸せだ。

でも、フライブルク最大の欠点は、刺激が少なすぎること。ここでいう刺激とは、物質的な豊かさのこと。何かに出会ってドキドキ・ワクワクする気持ち。例えば買い物で、すっごく素敵な服と出会ってときめいたり、美味しいレストランを開拓して幸せな気持ちになったり…。

ここには、そういったものがあまりに少ない。

フライブルクで生活して、たまにどこかへ旅行し、フライブルクにはない楽しみを味わう。それが私にとってのバランスなのだが、それが出来なかった為に精神が崩れかけてしまった。

 

 

ショッピングストリートとしては、旧市街のKaiser-Josef Strasseという大通り(小さいけど)にいくつかお店やデパートがあるのだけど、たいしたものはない。

いくつかあるチェーン店の服屋さんは、ファストファッション系や若い子向けが多い。なぜかH&Mは2店舗もあるけど、ZARAはひとつもない。Scotch & Soda の店舗があるのが奇跡だ。

アラサー日本人女性の服に対する欲求を満たしてくれそうなブランドはほぼないと断言していいと思う。ファッション命の私の妹からしたら、お金をもらっても住みたくないと言うだろう。

(オンラインで取り寄ればいいじゃんと思うかもしれないけど、あまり気が進まない。ヨーロッパの服はサイズ感がいまいちわからないのと、返品するのも面倒だから‥)

 

 

フライブルクにないなら、他の都市へ買い物に行けばいいと思うかもしれない。ただこれも立地的に簡単じゃないのだ。スイスのバーゼルは一番近い近隣都市だけど、物価が高い。次に近いカールスルーエも正直そんなに素敵な街ではないし、ZARAはあるけどMassimo Duttiはない。(要するに、大都市にあるお店全部はない)シュトゥットガルトはたくさんお店があるけど、ICEを使っても片道2時間かかる。片道1.5時間かけて、フランスのストラスブールに行くという手もあるけどね‥。

 

フライブルクはまさに、陸の孤島だ。

 

そもそもフライブルクには服装に気を使っている人や、おしゃれをしている人はあまりいない。ドイツだし、その上大学生の街だし、人口の半分はベジタリアンであり、ナチュラル思考の多い街だ。物質的な豊かさを求める人はここに長くとどまらないのだと思う。

ここで暮らし始めて、最初は服装に気を使わなくて楽だな~とポジティブに考えていた。そのうち、自分の服装に対するこだわりや気遣いがどんどん薄くなっていった。「どうせフライブルクだし」「誰もオシャレしていないし」気づけば、知り合いからもらったお下がりのTシャツと短パンで仕事するレベルにまで落ちていた。

 

自分のオシャレに対する気持ちをもう一度奮い立たせるためにデパートに行った時の写真。笑

 

でも、オシャレって人の為にするものではないよね。と、当たり前のことを気づかせてくれたのが、同僚のティナ。彼女は埃っぽい職場の学童保育にも、ちゃんとした格好で来る。自分軸というやつだ。そんな彼女を見ているうちに、私も場所を選ばず、自分自身が満足する格好をしたいと思うようになった。

でも、素敵な服との出会いがないんだよ、フライブルクでは!!

 

物質的に豊かでないのは今に始まった事ではないのに、この嫌気が急にMAXになった。先日久々にカタリーナと会った時にこの話をしたら、彼女が想像以上にとてもよく理解してくれた。

「私も一応ブルガリアの首都から来てて、大都市好きだから気持ちが本当によくわかる。カピバラなんて東京からフライブルクに来てるんだから、まったくね‥その気持ちは当然だよ。」

私はよくフライブルクを「街じゃなくて村だ!」と小馬鹿にしていたのだけど、カタリーナも最初はまったく同じように言っていたと聞いて爆笑。

 

 

カタリーナはコロナの少し前、仕事でフライブルクに越してきた。最初はフライブルクに友達も誰もいなくて、街が小さくて退屈で、本当に嫌だったという。だから、週末はどこか他の街に出かけていたらしい。そして、近隣のカールスルーエも大したことなくて、悲しくて泣いたという。

わかりみすぎて、本当に嬉しかった。こういうことって誰にでも話せる・理解してもらえることじゃない。

カタリーナは先週パリに行っていて、どんなに素敵だったか語ってくれた。そして私たちは決めた。「これから、私たちが会うときはいつもより少しちゃんとメイクして、自分の好きな服を着よう!」

やっぱり持つべきものは友達だなぁ、というオチになったけど、彼女と話して本当気持ちが楽になった。

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