【日記】口頭試験終了ーAusbildung合格!ゴールテープ寸前でまさかの脱落者が…

Ausbildung

6月25日に、口頭試験があった。

到着すると、ちょうど私の前の順番だったクラスメイトが出てきて『問題に関係することを何でもいいからとにかく話しまくって、試験官の先生に質問させる隙を与えなかったら、成績が1だった』と言っていた。(1は、一番いい成績)

試験官に呼ばれて入ると、伏せられた紙4枚の中から1枚選び、それについて答える。試験時間は10分で、体感は2~3分である。

私が引いた紙は、Inklusion(共生)とArmut(貧困)について。ちゃんと予習したので答える気満々だった。

ただ私は自分のペースで語ることができなかった。なぜかというと私はドイツ語が母国語ではないので、時折話す内容を考える時にどうしても間が生まれてしまう。試験官である先生はそこをすかさず突いてきて、質問責めしてきたのだ。

それ、今から言おうとしてたのに。とか、そんなんばっかでかなり調子が狂った。

試験官は、その授業を3年間担当してきたとある年老いたドイツ人女性の先生。学校一生徒に厳しいと有名で、私も個人的にはその先生がかなり苦手だった。苦手な理由は、厳しいからではなかった。彼女は私が外国人であることは理解しているけど、他の先生がしてくれるような気づかいや配慮がまったくないからだ。Inklusion(共生)というテーマの授業をしているにもかかわらず、彼女の態度にそれはない。私をまったく知らない人が試験官で、外国人のハンデに対する配慮がないなら仕方ないが、3年間授業をしてきて、私の事をよく知っている先生からのこの仕打ち。

だんだん少し悲しくなってきた。何というか、いじめられているような気分になったのだ。

試験官の両脇には2人他の先生がいて、その先生たちもその試験官の先生を不思議な顔で見ていた。本来私を見るはずの人たちが…。

 

終わると一度退室して、先生たちが成績を話し合って決めるとまた呼び戻される。

言い渡された成績はその科目ですでに持っていた成績より0.5悪かったけど、トータルで換算して元の成績に留まるとのことだった。

口頭試験合格は、Ausbildung合格を意味する。本来なら手放しで喜んでいいはずの状況なのに、最後の後味が悪すぎてしばらくむかむかしていた。

 

 

さて脱落者について。以前も記事に書いた、クラスメイトのやる気がなく卒業試験を受けられるかグレーゾーンにいた2人の男の子だ。

学校側は、彼らに全ての可能性を与えた。不真面目でテストの成績も悪い、やる気のない生徒たちにここまでしてあげる必要があるか?と周りが思ってしまうほど、出来る限りの道を示した。にもかかわらず、1人は口頭試験を受けて、不合格だったらしい。

もう一人は試験に来なかった。どうやら他の科目の成績との兼ね合いで、本人は口頭試験を受ける意味がないと判断したらしいが、そもそも受ける意味がなければ口頭試験受験者リストに載っていないだろう。ちょっと理解に苦しむ。

彼らには、2つの道がある。もう一度PIA3年目をやるか、Ausbildungを辞めるかである。

このPIA3年目をもう一度最初からやるということは、卒論、テスト、実習、実習先テスト、卒業試験をすべてもう一度やるということ。…ありえない。しんどすぎる。

でも、ここでやめてしまえば、今まで3年頑張ったことがすべて水の泡だ。

これはクラスの誰も想像していなかったので、ちょっと驚きだった。慢性的保育士不足、特に男性保育士は貴重。そういった背景から、彼らにはどうにか合格できるように学校側が多めに見ているのではないかという噂だったが、どうやら限度というものがあるらしい。

 

われらPIA3-1は29人で新学期をスタートし、24人が卒業できるという結果になった。

ちなみに脱落したのは私たちのような外国人ではなく、ドイツ人かドイツで育った外国籍の生徒たち。だから言葉のハンデは関係なく、結局は健康管理ややる気、クラスに友達を見つけられるかとか、それぞれの理由が関係してくる。最後までやり切るにはあまりにもいろんなことが必要すぎるAusbildungだ。

 

 

口頭試験終了後、一番のクラスメイトとビアガーデンで打ち上げをした。

数杯のビールのつもりが、気付けば7時間くらい経っていて、ビールでお腹が膨れていた。

『今日も晴れてるけど、Ausbildung一番最初の日も晴れてたよね。』と彼が言った。

とにかくここまで辿り着けたのは、自分が頑張れる環境があったから。頑張った自分を褒めて、支えてくれた周りに感謝しかない。

 

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